中秋の名月を、家のどこから見るか

今夜は中秋の名月です。空が晴れていれば、きれいな月が見られるかもしれません。

菊池です。

お月見という習慣は残っていますが、実際に家の中から月が見える場所がある家は、意外と少ないように思います。窓の外に電線が走っていたり、ちょうど隣の建物が重なっていたり。見ようと思った時に、どこから見ればいいのか分からない。

設計の打ち合わせで、「月が見えるようにしてください」とご要望をいただくことは、まずありません。景色の話は出ますし、日当たりの話はほぼ必ず出ます。けれども夜空のことが話題になることは、ほとんどないのが実際のところです。

ところが住み始めてしばらく経った頃に、「ここから月がよく見えるんです」と教えてくださる方は少なくありません。階段の踊り場の窓だったり、洗面所の高い位置の小さな窓だったり。こちらが意図して計画した場所ではなく、たまたまそうなった窓であることのほうが多いのが面白いところです。

窓は、明るさと風のために計画します。それは間違っていません。ただ窓の役目はそれだけではなくて、外で流れている時間を家の中に入れるための場所でもあるのだと、そういう話を聞くたびに思います。季節が変わったことも、雨が上がったことも、たいてい窓越しに気づきます。

秋は空気が澄んで、月がよく見える季節です。特別な場所をつくらなくても、いつもの窓から見上げるだけで十分だと思っています。

今夜、少しだけ窓を開けて、空を見上げてみてください。

それでは、また。

No.7255

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