秋にドアが閉まりにくくなるのは、木が生きている証拠です

「ドアの閉まりが悪くなった」「引き戸が重い」。9月に入ると、こうしたご相談が急に増えてきます。

菊池です。

蒸し暑い日とからっと乾いた日が交互にやってくる季節です。わたしたちが扱っている木は、加工されて家の一部になったあとも、まだ生きています。空気が湿れば水分を吸って少し膨らみ、乾けば吐いて少し縮む。梅雨から夏にかけて含んだ水分が、秋の乾いた空気で抜けていく。その動きが、建具のわずかな狂いとして表に出てきます。逆に言えば、動くのは自然素材の家として当たり前のことで、不具合というより季節の便りのようなものです。

とはいえ、放っておくと困ることもあります。閉まりきらないドアを毎日強く引いていると、丁番のビスがだんだん緩んできます。引き戸を無理に押していれば、戸車やレールが傷みます。小さな違和感のうちなら、丁番の調整ネジを回す、戸車の高さを少し変える、といった数分の作業で収まることがほとんどです。ところが力ずくで使い続けたあとだと、部材を交換することになったり、枠ごと直すことになったりします。

ここが、住まいのやっかいなところだと思っています。命に関わるわけでもなく、暮らせないわけでもない。だから「そのうち言おう」と後回しになる。そして半年も経つ頃には、それが当たり前になってしまう。

建物100年サポートでお引き渡し後の点検にうかがう時、わたしたちが必ず一度は全部の建具を開け閉めするのは、そのためです。お客様が言い出しにくい小さな違和感を、こちらから拾いにいく。それが定期点検の役目のひとつだと考えています。

もし今、少しでも引っかかっている扉があれば、次の点検を待たずにご連絡ください。暮らしサポートメニューの中には、こうした細かなお困りごとへの窓口も用意しています。

それでは、また。

No.7240

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