庭のことは、家と同時に考えたほうがいい

朝晩の空気が変わり、庭いじりにもちょうどいい季節になってきました。

菊池です。

現在、相模原市矢部のスタジオで、「庭と家を一緒に考える注文住宅相談会」を開催しています。予約承認制で、期間を区切らずに随時受け付けている相談会です。

家づくりのご相談では、間取りや性能の話が中心になりがちで、庭のことは後回しにされる方が少なくありません。土地が決まって、建物のプランがある程度固まってから、余った部分で庭を考える。実際には、逆の順番で考えたほうがうまくいくことのほうが多いと感じています。

たとえば、リビングの窓の外に何が見えるか。隣家の窓と視線がぶつからないか。洗濯物を干す場所から、道路を歩く人にどう見えるか。こうしたことは、建物の配置や窓の位置を決める段階で一緒に考えておかないと、あとから庭だけで解決するのは難しくなります。逆に、はじめから庭と建物をセットで考えておくと、同じ広さの敷地でも、開放感と落ち着きの両方を手に入れやすくなります。

木を1本植える位置ひとつでも、夏の日差しを遮る道具になったり、リビングからの眺めをつくる主役になったりします。植栽は、建物ができたあとの飾りではなく、暮らしを整える設計要素のひとつだと考えています。

土地探しの段階でも、プランがまだ固まっていない段階でも構いません。庭のことも含めて、まっさらな状態からご相談いただければと思います。

ご予約はソールリビングのイベントページから承っています。

それでは、また。

No.7248

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段差ひとつが、暮らしを分けることがある

来週は敬老の日を迎えます。この時期になると、高齢者施設や福祉施設のご相談を振り返ることが増えます。

菊池です。

わたしたちが手がける特殊建築の中には、デイサービスや高齢者向けの住宅といった、福祉に関わる建物があります。住宅の設計とは、考えることの重心が少し違います。住宅では「暮らしやすさ」を家族単位で考えますが、福祉施設では、体の状態がそれぞれ異なる方々が同じ空間を使うことを前提に考えなければなりません。

たとえば、廊下の幅を数センチ広げるだけで、車椅子とすれ違えるかどうかが変わります。床の段差を2センチなくすだけで、つまずく確率は大きく下がります。健康な体で歩いている時には気づきにくい差ですが、体力や視力が少しずつ変わっていく方にとっては、その2センチが「ひとりで歩けるかどうか」を分ける境界線になることがあります。

もうひとつ大切なのが、スタッフの動線です。利用者の方の安全を守りながら、日々の業務を効率よくこなせるかどうか。ここが計画できていないと、現場で働く方の負担がそのまま積み重なっていきます。使う人と、支える人。両方の視点を同時に満たす設計が求められる分野です。

住宅とは違う難しさがある一方で、根っこにある考え方は同じだと感じています。そこで過ごす人の毎日を、どれだけ具体的に想像できるか。図面を引く前に、その場所でどんな一日が流れるのかを思い描くことから、わたしたちの仕事は始まります。

それでは、また。

No.7247

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「好きな家」を言葉にする、5つの手がかり

家づくりのご相談で、最初に少し悩まれるのが「好みのスタイル」を言葉にすることです。

菊池です。

雑誌やSNSで見た写真を持ってきていただくことも多いのですが、「素敵だけど、なぜ惹かれたのか自分でもよくわからない」とおっしゃる方は少なくありません。無理もないと思います。好みというのは、感覚的なものだからです。

わたしたちのフルオーダー住宅「ARCEO(アルセオ)」では、その感覚を言葉にする手がかりとして、5つのスタイルを用意しています。無駄をそぎ落とした暮らしを好む方には「EDGE」。自然素材の心地よさを大切にしたい方には「NATURE」。年月を重ねたような大人の雰囲気が好きな方には「BETON」。西海岸の海沿いのような開放感を求める方には「SURF」。そして、昔ながらの平屋の落ち着きを求める方には「HAUS」。

どれかひとつに決めていただく必要はありません。むしろ、いくつかのスタイルの写真を並べて見比べていただくと、「この素材感は好きだけれど、この色使いはちょっと違う」というふうに、ご自身の好みの輪郭が少しずつ見えてきます。

大切なのは、スタイルを選ぶこと自体ではなく、その先にある暮らし方を思い描くことです。どんな時間をその家で過ごしたいか。朝はどんな光の中で目覚めたいか。そこまで具体的にイメージできると、間取りや素材の選び方にも自然と芯が通ります。

ARCEOはどのスタイルであっても、性能や素材へのこだわりは変わりません。0宣言の家をベースに、そこへ意匠のことばを重ねているだけです。まずは気になるスタイルの写真を眺めるところから、始めていただければと思います。

それでは、また。

No.7246

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台風が近づく日に、まず歩く場所

台風情報が流れるたびに、天気予報のアプリを何度も開いてしまう季節になりました。

菊池です。

台風が近づくと聞いて、多くの方がまず思い浮かべるのは屋根や窓まわりだと思います。ただ、わたしたちが建物100年サポートで点検にうかがう時、実は最初に歩くのは足元のほうです。

敷地には、雨水を受けて外へ流すための勾配や側溝、雨水桝がついています。普段はほとんど意識されない場所ですが、落ち葉や砂が溜まっていると、大雨の瞬間だけ水の流れが悪くなり、外構や基礎まわりに水が回り込むことがあります。台風の前に、側溝の蓋を一度開けて中を見ておくだけで、当日の安心感はずいぶん変わります。

もうひとつ見ておきたいのが、基礎の換気口や配管まわりのすき間です。施工から年数が経つと、コーキングが硬くなって細い隙間ができることがあります。普段の雨では問題にならなくても、横殴りの雨が長く続くと、そこから水がまわり込む場合があります。

こうした箇所は、住んでいる方が日常で目にする場所ではありません。だからこそ、季節の変わり目にわたしたちのような立場の人間がひとつずつ確認させていただく意味があると思っています。建物100年サポートでお引き渡ししたお宅には、台風シーズンの前後にこうした点検のご案内をお送りしています。

もし気になる箇所があれば、被害が大きくなる前に遠慮なくご連絡ください。小さな違和感のうちに見ておくことが、結局いちばんの近道になります。

それでは、また。

No.7245

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地元で60年超、逃げ場がないということ

週の始まりに、少し会社のことを書かせてください。

菊池です。

わたしたちがよく口にする言葉に、「家づくりではなく、暮らしづくり」というものがあります。標語のように聞こえるかもしれませんが、これは仕事の進め方そのものを言い表した言葉です。

家は、引き渡した日が完成ではありません。その日から、誰かの毎日が始まります。朝ごはんをつくる場所、洗濯物を干す場所、子どもが宿題を広げる場所。それらがうまく回るかどうかは、間取り図の美しさとは別のところで決まります。わたしたちが考えているのは建物ではなく、そこで流れる時間のほうだ、ということです。

そのために、ひとつの家に対して営業担当、設計士、コーディネーター、そして現場の大工が、ひとつのチームとして関わります。よくある形は、営業が話を聞いて、設計に渡して、現場に渡す、という順送りです。それでも家は建ちます。ただ、渡すたびに少しずつ何かがこぼれる。お客様が最初に話した「本当はこうしたかった」の温度は、伝言ではなかなか伝わりません。

同じ顔ぶれが最初から最後まで関わっていると、その温度が残ります。現場で判断に迷った時に、「あの時こう言っておられたから、こちらだろう」と考えられる。図面に書かれていないことを埋められるのは、結局そこだと思っています。

創業から60年以上、この地域でやってきました。地元でずっと商売をするというのは、良くも悪くも逃げ場がないということです。10年後にお客様と道でお会いする可能性がある。お子さんが大人になって、家のことで相談に来られる可能性もある。その前提があるから、目先で楽な選択ができません。

そういう緊張感を、ありがたいものだと思っています。

それでは、また。

No.7244

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UA値0.5以下。その数字が語ってくれないこと

この時期、お客様との打ち合わせで断熱の話になると、少し説明が難しくなります。夏の暑さは過ぎて、冬の寒さはまだ来ていない。1年でいちばん、断熱のありがたみを感じにくい季節だからです。

菊池です。

わたしたちの家は、クワトロ断熱という考え方でつくっています。遮熱、断熱、調湿、透湿という4つの性能を組み合わせたものです。数字でいえば、UA値は0.5以下、C値は0.3以下。性能を比べる時の目安としては、十分に高い水準だと思っています。

ただ、正直に申し上げると、この数字だけをお伝えしても、暮らしの想像はつきにくいのではないでしょうか。UA値が0.1下がったら、冬の朝がどのくらい過ごしやすくなるのか。数字はその答えまでは教えてくれません。

4つのうち、意外と語られないのが「調湿」と「透湿」です。断熱と気密の話は多くの会社がしますが、家の中の湿気をどう逃がすかは、あまり話題になりません。けれども、住み心地に効いてくるのは、実はここだったりします。同じ室温でも、湿度が違えば体の感じ方はまるで変わる。夏のじっとりした不快感も、冬の乾ききった喉の痛さも、温度計だけでは説明がつきません。

無垢材や漆喰といった自然素材は、それ自体が湿気を吸ったり吐いたりします。そして壁の中にこもらせず、外へ抜けていく道をつくる。この2つが噛み合った時に、はじめて「なんだか気持ちがいい」という状態になります。

だからわたしたちは、まず体感してくださいとお伝えしています。矢部のモデルハウスでは、玄関を入った瞬間の空気の違いを感じていただけると思います。数字は、その体感を裏づける根拠として、あとから見ていただければ十分です。

これから涼しくなっていく季節は、家の性能の差が少しずつ表に出てくる時期でもあります。

それでは、また。

No.7243

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備えは、道具をそろえる前に家族で話すことから|9月26日 親子防災ワークショップ

9月1日は防災の日でした。この時期になると、テレビでも備蓄や避難の話題が増えます。ただ、毎年見ているうちに、なんとなく「うちは大丈夫」と流してしまっている方も多いのではないでしょうか。

菊池です。

わたし自身、家の備蓄品の期限を最後に確かめたのがいつだったか、すぐには思い出せませんでした。

わたしたちが「応援団」と呼んでいる取り組みは、家をお引き渡ししたあとのお付き合いのことです。建てて終わりではなく、そこから何十年と続く暮らしのほうが、ずっと長い。であれば、その間ずっと隣にいる会社でありたい。応援団10,000人という目標は、そういう気持ちから出てきたものです。

その活動のひとつとして、9月26日(土)に、親子で楽しむ防災ワークショップを開催します。相模原市中央区矢部で、午前10時から12時まで、参加費は無料です。3つの体験を通して「もしも」に備える、という内容になっています。

防災を、子どもに言葉だけで教えるのは難しいと思います。「地震が来たら机の下に入りなさい」と伝えても、来たことのない出来事は、なかなか自分ごとになりません。でも、手を動かして何かを作ったり、実際にやってみたりした記憶は残ります。あの時こうやったな、と体が覚えている。それが本番で効くのだと思います。

そして、たぶん一番の効果は、その日の帰り道にあります。「うちの懐中電灯どこだっけ」「水って何本あればいいの」。親子でそんな会話になったら、それだけでこのワークショップは成功です。備えは、道具をそろえることより、家族で一度話しておくことのほうが大きいと感じています。

ご予約はソールリビングのイベントページから承っています。

お子さまと一緒に、気軽にお越しください。

それでは、また。

No.7242

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「5年後、10年後、この建物をどう使っていますか」

今日は特殊建築の話を書かせてください。

菊池です。

わたしたちの言う特殊建築とは、住宅ではない建物のことです。工場や倉庫、店舗、事務所、福祉施設。用途はさまざまですが、共通しているのは「そこで事業が動いている」という点です。

住宅とのいちばん大きな違いは何かと聞かれたら、わたしは「変わることが前提になっている」と答えます。ご家族の暮らしも変化しますが、事業の変化はもっと速い。取り扱う商品が増える、機械を1台足す、人が5人増える。そういうことが、竣工から3年も経たないうちに起きます。

ですから、ご相談をいただいた時、わたしたちが必ず一度は伺うのが「5年後、10年後、この建物をどう使っていますか」という質問です。今のご要望だけで設計すると、今にぴったり合った、そして数年後には合わなくなる建物ができあがります。

たとえば倉庫であれば、柱をどこに立てるかで、将来の棚の並べ方まで決まってしまいます。床の耐荷重を今の荷物に合わせて決めるのか、重い設備が入る可能性まで見ておくのか。電気の容量に余裕を持たせるかどうか。将来、隣に建て増す可能性があるなら、どちらの方角を空けておくか。どれも、後から変えるとなると桁違いの費用がかかる部分です。

こう書くと「余計にお金がかかる提案なのでは」と思われるかもしれません。実際には、逆のことのほうが多いです。将来の可能性を先に整理しておくと、今は要らないものがはっきりします。何を入れて何を入れないかを決められるので、かえって無駄が削れる。

建物は事業の道具です。道具は、使う人の手に合っていて、長く使えるほうがいい。図面を引く前の雑談のような時間に、いちばん大事なことが出てくる。この仕事を続けていて、そう感じています。

それでは、また。

No.7241

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秋にドアが閉まりにくくなるのは、木が生きている証拠です

「ドアの閉まりが悪くなった」「引き戸が重い」。9月に入ると、こうしたご相談が急に増えてきます。

菊池です。

蒸し暑い日とからっと乾いた日が交互にやってくる季節です。わたしたちが扱っている木は、加工されて家の一部になったあとも、まだ生きています。空気が湿れば水分を吸って少し膨らみ、乾けば吐いて少し縮む。梅雨から夏にかけて含んだ水分が、秋の乾いた空気で抜けていく。その動きが、建具のわずかな狂いとして表に出てきます。逆に言えば、動くのは自然素材の家として当たり前のことで、不具合というより季節の便りのようなものです。

とはいえ、放っておくと困ることもあります。閉まりきらないドアを毎日強く引いていると、丁番のビスがだんだん緩んできます。引き戸を無理に押していれば、戸車やレールが傷みます。小さな違和感のうちなら、丁番の調整ネジを回す、戸車の高さを少し変える、といった数分の作業で収まることがほとんどです。ところが力ずくで使い続けたあとだと、部材を交換することになったり、枠ごと直すことになったりします。

ここが、住まいのやっかいなところだと思っています。命に関わるわけでもなく、暮らせないわけでもない。だから「そのうち言おう」と後回しになる。そして半年も経つ頃には、それが当たり前になってしまう。

建物100年サポートでお引き渡し後の点検にうかがう時、わたしたちが必ず一度は全部の建具を開け閉めするのは、そのためです。お客様が言い出しにくい小さな違和感を、こちらから拾いにいく。それが定期点検の役目のひとつだと考えています。

もし今、少しでも引っかかっている扉があれば、次の点検を待たずにご連絡ください。暮らしサポートメニューの中には、こうした細かなお困りごとへの窓口も用意しています。

それでは、また。

No.7240

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二世帯の「ちょうどいい距離」は、歩いてみないとわからない|川崎市麻生区 完成見学会

9月に入り、外を歩いていても日陰の風が少しだけ涼しくなってきました。見学会のご案内には、ちょうどいい季節に入ってきたように思います。

菊池です。

川崎市麻生区で開催中の完成見学会も、残り3週間ほどとなりました。9月27日(日)まで、10時から19時のご予約制で承っています。

今日は、この家の「二世帯」という部分について書かせてください。

二世帯住宅というと、玄関を分けるか分けないか、水まわりをどうするか、という話になりがちです。もちろんそれも大事なのですが、実際に暮らし始めてから効いてくるのは、もっと細かいところだったりします。親世帯と子世帯では、起きる時間も、寝る時間も、テレビの音量も違います。休日の過ごし方も違う。その違いを我慢で埋めるのか、間取りで解いておくのか。ここが分かれ目になります。

今回の家は、家族のつながりを感じられることと、それぞれの生活リズムを邪魔しないこと、この両方を同時に成り立たせるように計画されています。どこで音や気配が切れて、どこでつながっているのか。図面では説明しづらい部分なので、ぜひ実際に立って、歩いて、確かめていただきたいところです。

もうひとつの見どころが、毎日の家事の動線と収納の取り方です。洗う、干す、しまうまでが何歩でつながっているか。使う場所の近くに、使う分だけの収納があるか。こういうことは、暮らし始めてから「もっとこうすればよかった」と気づく部分でもあります。だからこそ、先に建った家で見ておく価値があると思っています。

内装には無垢材や漆喰、タイル、真鍮といった本物の素材を使っています。写真だと質感まではなかなか伝わりません。手で触れていただくのが一番早いです。

ご予約はソールリビングのイベントページから承っています。

家づくりの段階に関係なく、見るだけでも大歓迎です。

それでは、また。

No.7239

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