夏を越えた外壁の「目地」を、指で押してみてください

今年の夏も、なかなかの暑さでした。人間が音を上げるくらいですから、外に立ちっぱなしの建物はもっと大変だったはずです。

菊池です。

9月に入ると、わたしたちがお客様にお伝えしたくなることのひとつが、外壁の目地の話です。地味な話ですみません。でも、地味なところほど効いてきます。

サイディングの外壁には、板と板のつなぎ目や、窓のまわりに、ゴムのような弾力のある材料が詰めてあります。シーリング、あるいはコーキングと呼ばれるものです。役割は単純で、隙間から水を入れないこと。ただそれだけなのですが、ここが切れると、雨は堂々と壁の内側に入ってきます。

このシーリング、実は夏がいちばん苦手です。強い紫外線を浴び続け、日中と夜で大きく伸び縮みを繰り返すうちに、少しずつ弾力を失っていきます。夏を越えた今の時期は、ちょうど一年分の疲れが表に出てくるタイミングなのです。

ご自身で確かめる方法があります。晴れた日に外壁を眺めて、目地の線を目で追ってみてください。細かいひび割れが入っていないか。真ん中がへこんで痩せて見えないか。壁との境目が浮いて、隙間ができていないか。そして手が届く高さなら、指でそっと押してみてください。新しいうちは消しゴムのような弾力がありますが、寿命が近づくと硬くなり、押しても戻らなくなります。

特に見ていただきたいのが、窓まわりです。ここは雨仕舞いの要で、外壁の中でもいちばん水が集まりやすい場所です。ここが切れていると、内側の防水紙や下地が濡れ続けることになります。しかも、その被害はすぐには表に出ません。数年経って室内のクロスに染みが出たとき、原因はもうずいぶん前から始まっていた、ということが実際にあります。

打ち替えの目安は、おおむね十年前後といわれます。ただ、これは方角や日当たりで大きく変わります。南面と西面が先にやられ、北面はまだ元気、ということも珍しくありません。全部を一度にやるべきか、傷んだ面だけを先に手当てするか。そこはご予算と建物の状態を見ながら、一緒に考えさせてください。

気候の落ち着くこれからは、外まわりの工事に向いた季節でもあります。気になる箇所があれば、遠慮なくお声がけください。

それでは、また。

No.7233

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【川崎市麻生区】家事動線・収納・素材感を体感する完成見学会のご案内

写真や図面では、どうしても伝わらないものがあります。天井までの高さ、朝の光がどこまで届くか、無垢の床に足を乗せたときのわずかな沈み込み。そういうものは、その場に立つしかありません。

菊池です。

今日はご案内です。SOLE LIVINGでは現在、川崎市麻生区にて注文住宅の完成見学会を開催しています。会期は8月29日(土)から9月27日(日)まで、時間は10時から19時まで。予約承認制ですので、ご希望の日時をお申し込みいただき、こちらから確認のご連絡を差し上げる流れになります。

今回ご覧いただけるのは、二世帯住宅です。二世帯というと、間取りをどう分けるかという話になりがちですが、実際に難しいのはそこではありません。親世帯と子世帯では、起きる時間も、食事の時間も、休日の過ごし方も違います。その違う生活リズムを、無理に合わせるのでもなく、完全に切り離すのでもなく、どう並べて置くか。そこに設計の腕が出ます。今回の住まいは、そのあたりを実際の空間で確かめていただけるはずです。

そしてもうひとつの見どころが、家事の動線と収納の取り方です。毎日繰り返す動きだからこそ、数歩の違いが十年後の疲れ方を変えます。洗う、干す、しまう。この一連がどう並んでいるか、ぜひご自身の今の暮らしと重ねながら歩いてみてください。

素材にも触れていただきたいと思っています。無垢材、漆喰、タイル、真鍮。どれも、時間が経つほどに表情の変わる素材です。新品のときが一番きれいな材料と、使い込むほど良くなる材料とでは、家との付き合い方そのものが変わってきます。手のひらで確かめられるのは、現地ならではです。

相模原・町田・八王子はもちろん、川崎市周辺で家づくりをお考えの方、家事動線や収納を参考にしたい方、自然素材の住まいに興味のある方に、特に見ていただきたい住まいです。

なお、相模原市矢部のモデルハウス見学会も引き続き開催しています。まずはこちらから、という方もどうぞお気軽に。

ご予約・詳細はこちらから。

お会いできるのを楽しみにしています。

それでは、また。

No.7232

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防災の日に、建てる会社が地域にいる意味を考える

朝、事務所に向かう途中で風の匂いが変わったなと感じました。日中はまだ夏の顔をしていますが、明け方の空気にはもう秋の芯があります。現場ではまだ塩飴と水筒が手放せない、そんな端境の季節です。

菊池です。

9月1日は防災の日です。大正12年の関東大震災に由来する日で、ちょうど台風が多くなる210日の頃とも重なります。この日が来ると、わたしたちはいつも同じことを考えます。建設会社が地域にいるということは、いったい何の役に立つのだろうか、と。

新しい家を建てること、直すこと。それはもちろん仕事の中心です。けれど本当に価値が出るのは、何も起きていない平時ではなく、何かが起きたあとなのかもしれません。強い雨が降った翌朝、風の強かった夜の次の日。そういうときに「ちょっと見てもらえますか」と電話がかかってくる距離にいること。図面が残っていて、どこにどんな材料を使ったかがわかること。あの家はどんな地盤の上に建っているかを、担当した人間が覚えていること。それが、地元で長くやってきた会社にできることだと思っています。

1960年の創業から、相陽建設は相模原・町田・八王子の周辺でずっと仕事をしてきました。遠くまで手を伸ばすより、歩いて行ける範囲を確実に守るほうを選んできた会社です。効率だけを考えれば別のやり方もあったのでしょうが、この選び方は間違っていなかったと、こういう日には素直に思えます。

そして、家の側だけが備えても片手落ちです。耐震性も断熱性能も、住まい手の暮らしと組み合わさってはじめて意味を持ちます。背の高い家具は固定されているか。寝室の枕元に、割れると危ないものを置いていないか。水と食べ物は何日分あるか。家族が別々の場所にいるとき、どこで落ち合うと決めてあるか。どれも十分ほどあれば確認できることばかりですが、その十分をなかなか取れないのが日常というものです。

今日という日は、そのための口実にちょうどいいと思います。防災の日だから、と言って家族に話を切り出せる。年に一度くらい、そういう日があってもいいのではないでしょうか。

わたしたちも今日、社内で改めて連絡体制を確認します。派手なことではありませんが、続けることに意味がある種類の作業です。

それでは、また。

No.7231

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明日は、9月1日です

8月最後の日になりました。明日は9月1日、防災の日です。

関東大震災が起きた日にちなんで定められた日ですが、この時期は台風の季節とも重なります。毎年この日が近づくと、社内でも自然と話題が出ます。もし今、大きな地震が来たら、わたしたちは何をする会社なのか、と。

菊池です。

住宅会社としてのわたしたちの答えは、まず建てるものを丈夫にしておく、ということです。それは当たり前として、もうひとつあります。地域の建設会社には、非常時に手が動かせるという役割があります。重機があり、それを扱える人がいて、道路や建物の構造が分かっている。そして何より、この土地のどこに何があるかを知っている。昭和35年からこの地域で仕事をしてきたというのは、そういう蓄積のことでもあります。

外から応援に来てくださる方々は、地図がなければ動けません。けれど地元の会社は、あの角の擁壁が古いこと、あの通りは雨のあとに水が溜まりやすいことを、日々の仕事の中で知っています。非常時に効くのは、実はそういう地味な情報です。

だからわたしは、日常の仕事そのものが備えだと思っています。一軒一軒の点検記録を残す。街を車で回って気になったことを覚えておく。お客様のお宅の家族構成を把握しておく。ふだんは何の役にも立たないように見えることが、いざというときに一日の差になります。

お引き渡ししたお客様とのつながりを続けているのも、根っこは同じです。連絡がつく相手が地域に何百軒とあるということは、いざというときに安否を確認できる先が何百軒あるということでもあります。ふだんは「電球が切れた」という話でしかないやり取りが、非常時にはまったく別の意味を持ちます。

そしてご家庭でも、明日は少しだけ手を動かしていただけたらと思います。家具が倒れないよう固定してあるか。懐中電灯がどこにあるか、家族全員が言えるか。ブレーカーの位置を分かっているか。難しいことでなくていいんです。30分あれば終わります。

9月は、家のことを考えるのにいい月です。暑さが引いて、体が動くようになりますから。

明日から9月。今月も読んでくださって、ありがとうございました。

それでは、また。

No.7230

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暑さは、窓から入ってきます

この夏の暑さが記憶に新しいうちに、書いておきたいことがあります。

「うちは古いから夏は仕方ない」とおっしゃる方が、本当に多いんです。でも、仕方なくない部分がかなりあります。夏に室内へ入ってくる熱の量を調べた資料を見ると、その多くが窓から入っているとされています。壁でも屋根でもなく、窓です。ガラスは薄いですし、そもそも日射をそのまま通してしまいますから。

菊池です。

ということは、家全体をやり直さなくても、手を打てる順番があるということです。まずは窓。内側にもう一枚窓を足す内窓なら、壁を壊さずに一日で終わることもあります。そのうえで、西日の当たる面に外側から日射を遮るものを足す。順番としては、この二つが先です。

なぜ順番の話をするかというと、リノベーションのご相談で「まず床を張り替えたい」「壁紙を変えたい」と切り出される方が多いからです。見えるところから直したくなる気持ちはよく分かります。ただ、暑さや寒さが理由でその部屋を使わなくなっているのなら、内装をきれいにしても使わないままです。快適さを先に直してから、見た目を直す。そのほうが結果として満足度が高い。

内窓については、住みながら工事ができるという点も大きいと思います。一部屋ずつ、予算に合わせて進められる。全面改修のように仮住まいを探す必要もありません。「いつかまとめてやろう」と何年も置いておくより、つらい部屋から一つずつ手を入れていくほうが、実は暮らしは早く良くなります。

もちろん、窓だけで全部が解決するわけではありません。天井裏の断熱がほとんど入っていないお宅もありますし、風の通り道が家具でふさがれているだけ、ということもあります。ですから最初に伺って、まず住んでいる方の話を聞きます。どの部屋の、何時ごろが、いちばんつらいのか。そこが分かれば、優先順位はだいたい決まります。

そして、この相談は今の時期が一番いいと思っています。9月に入ると暑さの記憶が薄れて、話が翌年に持ち越されてしまう。来年の夏に間に合わせるなら、動き出すのは秋です。

暑い部屋がある。それだけで十分な相談の理由になります。

それでは、また。

No.7229

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ビーズを通す、五分間

今日は相模原で、親子で参加していただけるワークショップを開催しました。お気に入りのビーズを選んで、キーストラップをつくるという内容です。

菊池です。

建設会社がなぜビーズなのか、と思われるかもしれません。家を建てる会社なんだから、木を削るとか、そういうことをやるべきとか。

ただ、何度かこういうイベントを開催していくうちに考えが変わりました。小さなお子さんが、たくさんの中からひとつを選んで、糸を通して、うまくいかなくてやり直して、最後に自分の手の中に何かが残る。あの一連の時間が、家づくりの現場で職人がやっていることと、実はそんなに違わないんです。選ぶ、決める、手を動かす、直す。順番が同じなんですね。

そして、親御さんが横で「そっちのほうがいいんじゃない」と言いたいのを我慢しているのを見るのも、なかなか良いものです。家づくりでもまったく同じ場面があります。ご主人と奥様で意見が割れて、わたしたちが間に立つ。あのとき最後に決めるのは、やっぱりご自身なんです。

わたしたちは「応援団」という形で、お引き渡しのあともご家族とのお付き合いを続けています。10,000人という数字を掲げていますが、これは会員数を集めたいという話ではありません。困ったときに思い出してもらえる相手が地域に一社あるという状態をつくりたい、ということです。

そのためには、工事以外の日に会っている必要があります。屋根の話しかしない相手には、電球ひとつのことでは電話しづらいでしょう。ビーズの日に一度会っていれば、その電話が少し楽になる。ワークショップをやっている理由は、たぶんそれくらいのことなんだと思います。

今日ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。会場でお子さんが選んだビーズの色、ぜひご家族で覚えておいてあげてください。何年か経って見返すと、なかなか面白いものですよ。

それでは、また。

No.7228

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夏の終わりに、床下を開ける

八月も終わりですね。この時期に一度見ておきたい場所があります。床下です。

菊池です。

先日、点検で伺ったお宅で和室の点検口を開けさせていただきました。夏のあいだ、地面から上がってくる湿気と、外から入ってくる暖かい空気。この二つが一年でいちばん重なるのが、実は夏の終わりなんです。冬に結露を気にされる方は多いのですが、床下に関しては夏のほうが条件が厳しい。

開けてまず見るのは、基礎のコンクリートの色です。全体が均一なら問題ありませんが、一か所だけ色が濃く残っている場所があれば、そこは水が来ている可能性があります。次に配管まわり。給排水の管が基礎を抜けているところは、わずかな漏れが長く続いていても気づかれにくい場所です。触ってみて手が濡れるかどうか、そこは必ず確認します。

それから断熱材です。床の裏に入れた断熱材が、部分的に垂れ下がっていることがあります。落ちてしまっていると、その真上の床だけが冬に冷たくなる。「この部屋だけなんとなく寒い」というご相談の原因が、ここだったことは何度もあります。

大事なのは、こうしたものが今日明日どうにかなる話ではないということです。床下の不具合はゆっくり進みます。だからこそ、記録が効いてくる。三年前の写真と並べて「去年より濃くなっていますね」と言えるかどうかで、打つ手も費用もまるで変わります。建物100年サポートで点検の記録を残し続けているのは、その一言を言えるようにしておくためです。

ご自身で潜っていただく必要はありません。ただ、点検口がどこにあるかだけは知っておいていただきたいと思います。たいていは洗面所の下か、和室の押入れの中です。いざというとき、開けられる場所を知っている家と知らない家では、対応の速さが違います。

九月の点検のご依頼が増えてくる時期です。しばらく見ていないな、という方はお気軽にお声がけください。

それでは、また。

No.7227

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止めないで、直す

この時期になると、住宅とは別の窓口から相談が増えてきます。工場や倉庫、店舗、事業所といった建物の改修のご相談です。

菊池です。

なぜ夏の終わりかというと、多くの会社さんが下期の予算を組み始めるからです。「この夏はさすがに暑すぎた」「雨漏りをもう一年放っておけない」。そういう実感が新しいうちに、社内で話が動く。わたしたちのところに来るのは、たいていそのタイミングです。

こうした建物の工事が住宅と決定的に違うのは、お客様の商売が動いたままだということです。工場のラインは止まりません。倉庫にはトラックが入ってきます。店舗にはお客様が来ます。「工事のあいだ一週間休んでください」とは、こちらからは口が裂けても言えません。

ですから、最初にお聞きするのは仕様ではなく、時間割です。何曜日の何時なら音を出していいのか。どの通路をふさぐと物が動かなくなるのか。搬入は何時に来るのか。従業員の方の休憩室はどこか。それが分かってはじめて、工事を細かく切って並べ直す作業に入ります。一気に3日でやれば安く済む工事を、夜だけ、あるいは日曜だけに分けて六週間かける。結果としてそのほうが、お客様の損失は小さくなります。

粉じんと音も同じです。生産している物のすぐ横で削れば、それは製品に付きます。だから養生に手間をかけますし、匂いの出る材料は使う日を選びます。近隣にお住まいの方への挨拶も、事前に一度では足りないと思っています。

正直に申し上げると、こういう仕事は工程表がきれいになりません。細切れで、待ち時間もあって、効率だけを見れば褒められた工事ではないでしょう。それでも、お客様の会社が一日も止まらずに済んで、工事が終わったときに「気づいたら直っていた」と言っていただけたら、それが特殊建築のいちばん良い終わり方だと思っています。

建物を良くする工事で、お客様の商売の足を引っ張っては本末転倒ですから。

それでは、また。

No.7226

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二世帯の「ちょうどいい距離」を、体験に来ませんか

今日はお知らせをひとつ。

今週末の8月29日(土)から、川崎市麻生区で注文住宅の完成見学会を開催します。9月27日(日)までの長めの期間で、時間は10時から19時まで。ご予約制です。

菊池です。

今回ご覧いただくのは、親世帯と子世帯が一緒に暮らす二世帯住宅です。二世帯というと、どこまで一緒にしてどこから分けるかで悩まれる方が本当に多い。全部分けると寂しいし、全部一緒だと気を遣う。答えは家族ごとに違いますから、正解を差し上げることはできません。ただ、実例を一軒歩いていただくと、「うちならここまでは一緒でいいな」という感覚がつかめます。図面を眺めていた時間が、30分の見学で一気に進むことがあります。

見どころは、その距離のとり方と、毎日の家事がどう流れるかです。洗う、干す、しまうがどこでつながっているか。買い物袋を提げて帰ってきたとき、どこで手が空くか。収納も、量ではなく置き場所の話として見ていただけると思います。

もうひとつは素材です。無垢材、漆喰、タイル、真鍮。写真ではどうしても伝わらないところで、触れたときの温度と、時間が経ったときの表情が違います。真鍮は数年でくすんできますが、それを味と感じるか気になると感じるかは、実物を前にしないと自分でも分からないものです。光の入り方や部屋どうしのつながり具合も、現地でしか分かりません。

相模原・町田・八王子はもちろん、川崎市の周辺でお考えの方にも来ていただきやすい場所です。家事動線や収納を参考にしたい方、自然素材の家に興味はあるけれど実物を見たことがない方、どうぞお気軽に。夜七時までやっていますので、お仕事帰りに寄っていただくこともできます。

ご予約は下記のイベントページから、またはお電話(0120-704-991)で承ります。詳しい住所はご予約後にご案内いたします。

お住まいをお貸しくださったご家族のご厚意で実現した見学会です。ぜひ、ゆっくりご覧ください。

それでは、また。

No.7225

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副操縦士は乗せるが、機長は譲らない

まだまだ暑い日が続きますが、朝の空気だけは少し変わってきました。

菊池です。

このところ、建設業とAIの話題を目にしない日がありません。業界紙を開けば必ず載っていますし、同業の集まりでも「そちらは何か入れました?」という話になります。

背景ははっきりしています。国土交通省が二年前に打ち出した「i-Construction 2.0」では、2040年度までに省人化3割、生産性1.5倍という目標が掲げられました。建設業で働く人はピーク時から3割ほど減り、いまは55歳以上が4割近く、29歳以下は1割強と言われています。人は減っているのに、工事の量はむしろ増えている。だから機械とAIに手伝ってもらうしかない、という話です。

大手の事例はたしかにすごい。制御室から指示を出せば複数の重機が自分で判断して土を運ぶ仕組みや、7万件規模の災害事例をAIで検索して、その日の作業に近い事故を先回りで拾い出す仕組み。設計でも、条件を入れると数分で複数の案が出てくるそうです。

では、わたしたちのような地域の会社は何ができるのか。正直、明日から重機を無人にするのは現実的ではありません。けれど、書類は別です。日報、議事録、安全書類の下書き。ここは規模に関係なく、今日からでも軽くできます。机に向かう時間が減れば、その分だけ現場とお客様のところに立てる時間が増える。わたしにとってのAIの意味は、そこに尽きます。

ただ、忘れてはいけないことがひとつあります。AIは、もっともらしい間違いを平気で出します。そして法律上、最終的な責任を負うのは、いつまでたっても人間の技術者です。ある記事に「AIは副操縦士であって機長ではない」という言い方が出てきて、なるほどと思いました。副操縦士は喜んで乗せます。でも操縦桿は渡さない。

それに、AIが代われないものもあります。敷地に立ったときの風の抜け方。20年前に自分たちが建てた家に伺って、床の傷の付き方を見て「よく使ってくださっているな」と感じること。あれは数値になっていません。数値になっていないものを見に行く時間を、機械につくってもらう。そういう順番でいたいと思っています。

それでは、また。

No.7224

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