防災の日に、建てる会社が地域にいる意味を考える

朝、事務所に向かう途中で風の匂いが変わったなと感じました。日中はまだ夏の顔をしていますが、明け方の空気にはもう秋の芯があります。現場ではまだ塩飴と水筒が手放せない、そんな端境の季節です。

菊池です。

9月1日は防災の日です。大正12年の関東大震災に由来する日で、ちょうど台風が多くなる210日の頃とも重なります。この日が来ると、わたしたちはいつも同じことを考えます。建設会社が地域にいるということは、いったい何の役に立つのだろうか、と。

新しい家を建てること、直すこと。それはもちろん仕事の中心です。けれど本当に価値が出るのは、何も起きていない平時ではなく、何かが起きたあとなのかもしれません。強い雨が降った翌朝、風の強かった夜の次の日。そういうときに「ちょっと見てもらえますか」と電話がかかってくる距離にいること。図面が残っていて、どこにどんな材料を使ったかがわかること。あの家はどんな地盤の上に建っているかを、担当した人間が覚えていること。それが、地元で長くやってきた会社にできることだと思っています。

1960年の創業から、相陽建設は相模原・町田・八王子の周辺でずっと仕事をしてきました。遠くまで手を伸ばすより、歩いて行ける範囲を確実に守るほうを選んできた会社です。効率だけを考えれば別のやり方もあったのでしょうが、この選び方は間違っていなかったと、こういう日には素直に思えます。

そして、家の側だけが備えても片手落ちです。耐震性も断熱性能も、住まい手の暮らしと組み合わさってはじめて意味を持ちます。背の高い家具は固定されているか。寝室の枕元に、割れると危ないものを置いていないか。水と食べ物は何日分あるか。家族が別々の場所にいるとき、どこで落ち合うと決めてあるか。どれも十分ほどあれば確認できることばかりですが、その十分をなかなか取れないのが日常というものです。

今日という日は、そのための口実にちょうどいいと思います。防災の日だから、と言って家族に話を切り出せる。年に一度くらい、そういう日があってもいいのではないでしょうか。

わたしたちも今日、社内で改めて連絡体制を確認します。派手なことではありませんが、続けることに意味がある種類の作業です。

それでは、また。

No.7231

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