雨の日、現場監督は何をしているか

週の始まりに、現場の話を少し書かせてください。

菊池です。

雨が降ると現場は止まる、と思われている方は多いと思います。実際、外の作業は止まります。基礎のコンクリートを打つ日も、屋根に上がる日も、外壁を張る日も、雨が降れば翌日以降に回します。無理に進めて品質を落とすくらいなら、待ったほうがいいからです。

ただ、現場監督の仕事のほうは止まりません。むしろ雨の日ほど、机に向かう時間が長くなります。やっているのは、その先の段取りの組み直しです。

職人さんの予定は、何週も先まで埋まっています。今日の作業が一日ずれると、次に入る職種もずれる。そのまた次もずれる。一日の遅れが、そのまま一日で収まることはまずありません。だから雨の音を聞きながら、誰にいつ入ってもらうかを引き直し、電話をかけていく。この組み替えが早いほど、最終的な工期への影響は小さくなります。

それから、雨の日にしかできないこともあります。雨仕舞いの確認です。図面の上では水は流れません。実際に降っている時に、どこをどう伝って落ちていくのか、溜まる場所はないか。これは晴れた日に何度見ても分からないことです。傘をさして現場に立つのは、そのためでもあります。

以前、現場の者が「天気は変えられないので、変えられるところを動かすだけです」と話していました。言い方は淡々としていましたが、この仕事の芯を突いているように思いました。

雨の日に工事中の家の前を通られることがあれば、静かに見えても中では動いていると思っていただけたらうれしいです。

それでは、また。

No.7258

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屋根に上がらなくても、分かることがあります

秋晴れの日が続くと、なんとなく家の外まわりが目につくようになります。

菊池です。

屋根の点検というと、はしごをかけて上に登る絵を思い浮かべる方が多いと思います。ただ実際には、地面に立ったままでも分かることがかなりあります。まずは玄関から少し離れて、家全体を眺めてみてください。

見上げる角度をひとつ変えるだけで、見え方は変わります。正面からだと気づかなかった瓦のずれや、棟のわずかな歪みが、斜めから見ると線の乱れとして目に入ることがあります。二階の窓から隣の屋根面を見下ろせる家であれば、そこからのほうがよく分かる場合もあります。

雨樋は、雨の日に見るのがいちばんです。水が本来落ちるべき場所から落ちているか、継ぎ目からしたたっていないか、途中で溢れていないか。溢れているようなら、落ち葉や土が詰まっているサインです。これから落葉の季節に入るので、今の時期に一度見ておくと安心です。

外壁は、手の届く高さだけで構いません。目地に入っているコーキングを指で触ってみて、ひび割れていないか、痩せて引っ込んでいないか。硬くなってぽろぽろするようなら、年数が経っている合図です。

ひとつだけお願いがあります。ご自身で屋根に上がることは、どうか避けてください。毎年、点検や掃除の最中の転落事故が起きています。高さ以上に、足元が滑ることのほうが危ないのです。

気になる箇所があれば、写真を撮って送っていただくだけでも構いません。それだけで、おおよその見当がつくことも多いです。

それでは、また。

No.7257

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給湯器が止まるのは、たいてい寒い朝です

朝晩の空気が、ようやく秋らしくなってきました。

菊池です。

毎年のことなのですが、11月から12月にかけて、「お湯が出なくなった」というご連絡が一気に増えます。しかもその多くが、前の日まで普通に使えていたのに、急に冷え込んだ朝に止まった、という形で起こります。

給湯器の寿命は、一般に10年から15年が目安と言われています。ただ、ある日いきなり動かなくなるというより、その前に小さな前触れが出ていることのほうが多いように感じます。お湯になるまでの時間が前より長い、運転中の音が大きくなった、追い焚きの効きが弱い。どれも「そういうものかな」と流してしまいがちな変化です。

やっかいなのは、寒い時期は交換のご依頼が全国的に重なることです。同じ機種を探しても在庫が薄くなり、お湯が使えない期間が数日では済まないこともあります。真冬にお風呂に入れない日が続くというのは、想像以上にこたえるものです。

ですので、この時期に一度だけ確認しておくことをおすすめしています。本体の側面に貼られたシールに製造年が書かれていますので、10年を超えているようなら、頭の片隅に置いておく。それだけで、いざという時の動き方が変わります。

建物100年サポートの点検でも設備の年数は見せていただいていますが、日々使っておられる方のほうが、音や効きの変化にはずっと早く気づかれます。

少しでも気になることがあれば、寒くなる前にご連絡ください。急ぐ話ではありませんが、後回しにしにくい話ではあります。

それでは、また。

No.7256

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中秋の名月を、家のどこから見るか

今夜は中秋の名月です。空が晴れていれば、きれいな月が見られるかもしれません。

菊池です。

お月見という習慣は残っていますが、実際に家の中から月が見える場所がある家は、意外と少ないように思います。窓の外に電線が走っていたり、ちょうど隣の建物が重なっていたり。見ようと思った時に、どこから見ればいいのか分からない。

設計の打ち合わせで、「月が見えるようにしてください」とご要望をいただくことは、まずありません。景色の話は出ますし、日当たりの話はほぼ必ず出ます。けれども夜空のことが話題になることは、ほとんどないのが実際のところです。

ところが住み始めてしばらく経った頃に、「ここから月がよく見えるんです」と教えてくださる方は少なくありません。階段の踊り場の窓だったり、洗面所の高い位置の小さな窓だったり。こちらが意図して計画した場所ではなく、たまたまそうなった窓であることのほうが多いのが面白いところです。

窓は、明るさと風のために計画します。それは間違っていません。ただ窓の役目はそれだけではなくて、外で流れている時間を家の中に入れるための場所でもあるのだと、そういう話を聞くたびに思います。季節が変わったことも、雨が上がったことも、たいてい窓越しに気づきます。

秋は空気が澄んで、月がよく見える季節です。特別な場所をつくらなくても、いつもの窓から見上げるだけで十分だと思っています。

今夜、少しだけ窓を開けて、空を見上げてみてください。

それでは、また。

No.7255

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お彼岸に実家へ帰ると、家の話になる

お彼岸の時期に合わせて、久しぶりにご実家へ帰られた方も多いのではないでしょうか。

菊池です。

この時期を過ぎたあたりから、「実家の家のことで少し相談したい」というご連絡をいただくことが増えます。お墓参りのついでに立ち寄ったら、思っていたより家が傷んでいた。そういう話から始まることがほとんどです。

久しぶりに実家に入ると、住んでいた頃には気にならなかったものが目に入ります。外壁の色あせ、網戸の破れ、使わなくなった二階の部屋。ひとつひとつは大したことではなくても、まとめて目にすると、この家はこの先どうなるのだろうという気持ちになります。

ただ、それをその場で口に出すのは難しいものです。「そろそろ直したら」と言えば、親御さんからすれば「まだ十分住める」となる。心配しているだけなのに、なぜか責めているように伝わってしまう。親子だからこそ言いにくいということが、この話題にはあると感じています。

わたしたちがご相談をお受けする時、最初にお聞きするのは、どこを直すかではありません。いま実際に不便なことは何か、そして誰が困っているのか。困りごとから入ると、不思議と話が前に進みます。直さないという結論になることもありますが、それも家族で決めた答えなら十分だと思っています。

お彼岸やお盆、年末年始は、家族が同じ場所に集まる数少ない機会です。その時に一度でも話しておくと、いざ何かが起きた時に慌てずに済みます。

ご実家のことで気になる箇所があれば、直すかどうかは別として、一度お話を聞かせてください。

それでは、また。

No.7254

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昼と夜が同じ長さになる日に

今日は秋分の日です。太陽が真東から昇り真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる日だと言われています。

菊池です。

この時期になると、決まって思い出す言葉があります。「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざです。厳しい夏の暑さも、この頃を境に少しずつ和らいでいく。昔の人は、そのことを経験的に知っていたのだと思います。

昼と夜の長さが同じになる、というのは考えてみると不思議な均衡です。1年の中で、光と影がちょうど釣り合う日がある。家づくりに携わっていると、この「釣り合い」という感覚を、つい建物に重ねて考えてしまいます。

性能を追い求めすぎると、家は息苦しくなります。逆に、開放感だけを優先すると、夏や冬の過ごしにくさが残ります。断熱と通風、デザインと機能、コストと性能。家づくりの現場では、常にどこかで釣り合いを取る作業が続いています。100点満点の正解があるわけではなく、その家族にとってちょうどいいバランスを、一緒に探していくような仕事です。

季節も同じように、暑さから寒さへ、少しずつ均衡点を移していきます。秋分の日を過ぎると、夜のほうが少しずつ長くなっていきます。急に変わるのではなく、少しずつ。家づくりも、暮らしも、そういうゆるやかな移り変わりの中にあるのだと思います。

これから深まっていく秋を、皆さまがゆったりと過ごされますように。

それでは、また。

No.7253

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秋の彼岸に、外壁を見上げてみる

今日から秋分の日にかけて、いわゆる秋のお彼岸の時期に入ります。

菊池です。

お墓参りやご実家への帰省で、久しぶりにご自身が育った家や、ご両親の暮らす家を訪ねる方も多いのではないでしょうか。せっかくの機会なので、少しだけ外壁を見上げてみることをおすすめしています。

外壁は、雨や紫外線を長年受け続ける部分です。塗装が劣化してくると、色あせだけでなく、細かいひび割れが入ることがあります。ひび割れ自体はすぐに雨漏りへつながるわけではありませんが、放っておくとそこから水が入り込み、内部の木材にまで影響が及ぶことがあります。表面上は同じように見えても、5年前と今とでは状態が変わっていることは珍しくありません。

もうひとつ見ておきたいのが、外壁と設備が取り合う部分です。エアコンの配管やベランダの手すりが壁を貫通している箇所は、コーキングが切れやすいポイントです。ここも、遠目にはなかなか気づきにくい場所です。

建物100年サポートで定期点検にうかがう際、わたしたちが必ず外壁を一周して見て回るのは、こうした小さな変化を早めに拾うためです。大きな工事になる前に見つかれば、部分的な補修で済むことがほとんどです。

秋のお彼岸で実家に立ち寄る機会があれば、仏壇の前に座るだけでなく、少し外に出て建物をぐるりと眺めてみてください。もし気になる箇所があれば、遠慮なくご相談ください。

それでは、また。

No.7252

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敬老の日に、古いお客様のことを考える

今日は敬老の日です。この日になると、創業から60年以上のお付き合いの中で出会った、たくさんのお客様のお顔が浮かびます。

菊池です。

わたしたちがお引き渡しをしたお宅の中には、当時30代だったご夫婦が、今では70代、80代になられているケースも少なくありません。子育てのために建てた家に、今はお二人だけで暮らしている。そんなお話を伺うことも増えてきました。

応援団という取り組みを続けている理由のひとつは、こうした長いお付き合いを途切れさせたくないからです。建てた直後は不具合の相談が中心でも、年月が経つと相談の内容が少しずつ変わっていきます。手すりを付けたい、段差をなくしたい、2階を使わなくても暮らせるようにしたい。体の変化に合わせて、家に手を入れたいという相談が増えてくるのです。

こうした時、初めての会社に相談するのと、家のことをよく知っている会社に相談するのとでは、安心感がまったく違います。図面がどこかに眠っている、構造がどうなっているか分かっている、担当していた人間がまだ会社にいる。それだけで、話が早く進みます。

長く地域で仕事をしてきたからこそ、こうした関係を築けているのだと思います。応援団10,000人という目標は、単に数を増やしたいという話ではありません。ひとつひとつのお付き合いを、できるだけ長く続けていきたい、という気持ちの表れです。

今日は、長くお付き合いいただいているお客様に、あらためて感謝を伝えたい一日です。

それでは、また。

No.7251

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5連休は、予定を詰め込みすぎないほうがいい

今年の9月は、敬老の日と秋分の日の間に休日が入り、5連休になっています。

菊池です。

こういう連休になると、つい予定を詰め込みたくなります。旅行、帰省、片付け、普段できない家の用事。休みの日数を見て、あれもこれもと欲張ってしまう気持ちは、わたしにも覚えがあります。

ただ、家づくりのご相談を長く受けてきて感じるのは、連休明けに「結局あまり休んだ気がしない」とおっしゃる方が意外と多いということです。予定を詰め込みすぎると、休みなのに時間に追われる感覚が残ってしまう。これでは、何のための休日かわからなくなってしまいます。

わたし自身、最近は連休の中に、あえて何も予定を入れない時間を作るようにしています。特別なことをしなくても、家の中でゆっくりお茶を飲む、窓を開けて風を感じる、それだけで十分だったりします。予定のない時間があるからこそ、家族との何気ない会話が生まれることもあります。

住まいというのは、こうした「何もしない時間」を心地よく過ごすための場所でもあると思っています。空調の効きすぎない室内、外の風を通せる窓、家族の気配を感じられる間取り。派手さはありませんが、こういう小さな条件が整っているかどうかで、休日の過ごしやすさは案外変わってきます。

予定を詰め込むことだけが、休日の過ごし方ではありません。今年の5連休が、皆さまにとって少しゆとりのある時間になりますように。

それでは、また。

No.7250

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サービスの先にあるもの

シルバーウィークが始まりました。長いお休みの予定を立てている方も多い頃だと思います。

菊池です。

今日は少し、わたしたちの経営理念について書かせてください。相陽建設には「ホスピタリティ第一主義」という言葉があります。私たちの商品や技術を土台にしながら、その先にある「人の心」を考える、という考え方です。

ここで大事にしているのは、サービスと感動を分けて考えていることです。決められた仕事を、決められた通りにこなす。それはサービスであって、当然のことです。ただ、それだけではお客様の心は動きません。感動が生まれるのは、サービスがお客様の予想を少しだけ超えた瞬間だと考えています。

たとえば、お問い合わせへの返信をほんの少し早くする。図面の説明を、専門用語を使わずに丁寧に伝え直す。約束していなかった小さな不具合にも、こちらから気づいて先に手を打つ。ひとつひとつは些細なことです。ただ、その積み重ねが、お客様の記憶に残る部分になるのだと思っています。

この理念を実際の行動に落とし込むために、わたしたちは7つの基本施策というものを掲げています。施工エリアを本社から半径15キロに絞ること。応援団という形でお客様とのご縁を続けること。現場を常にショールームのように整えておくこと。どれも、理念だけで終わらせず、日々の仕事の中で確かめられる形にしておきたいという思いから来ています。

言葉にすると立派に聞こえますが、実際には毎日の小さな判断の積み重ねです。今日もどこかの現場で、その判断が重ねられています。

それでは、また。

No.7249

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