中秋の名月を、家のどこから見るか

今夜は中秋の名月です。空が晴れていれば、きれいな月が見られるかもしれません。

菊池です。

お月見という習慣は残っていますが、実際に家の中から月が見える場所がある家は、意外と少ないように思います。窓の外に電線が走っていたり、ちょうど隣の建物が重なっていたり。見ようと思った時に、どこから見ればいいのか分からない。

設計の打ち合わせで、「月が見えるようにしてください」とご要望をいただくことは、まずありません。景色の話は出ますし、日当たりの話はほぼ必ず出ます。けれども夜空のことが話題になることは、ほとんどないのが実際のところです。

ところが住み始めてしばらく経った頃に、「ここから月がよく見えるんです」と教えてくださる方は少なくありません。階段の踊り場の窓だったり、洗面所の高い位置の小さな窓だったり。こちらが意図して計画した場所ではなく、たまたまそうなった窓であることのほうが多いのが面白いところです。

窓は、明るさと風のために計画します。それは間違っていません。ただ窓の役目はそれだけではなくて、外で流れている時間を家の中に入れるための場所でもあるのだと、そういう話を聞くたびに思います。季節が変わったことも、雨が上がったことも、たいてい窓越しに気づきます。

秋は空気が澄んで、月がよく見える季節です。特別な場所をつくらなくても、いつもの窓から見上げるだけで十分だと思っています。

今夜、少しだけ窓を開けて、空を見上げてみてください。

それでは、また。

No.7255

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お彼岸に実家へ帰ると、家の話になる

お彼岸の時期に合わせて、久しぶりにご実家へ帰られた方も多いのではないでしょうか。

菊池です。

この時期を過ぎたあたりから、「実家の家のことで少し相談したい」というご連絡をいただくことが増えます。お墓参りのついでに立ち寄ったら、思っていたより家が傷んでいた。そういう話から始まることがほとんどです。

久しぶりに実家に入ると、住んでいた頃には気にならなかったものが目に入ります。外壁の色あせ、網戸の破れ、使わなくなった二階の部屋。ひとつひとつは大したことではなくても、まとめて目にすると、この家はこの先どうなるのだろうという気持ちになります。

ただ、それをその場で口に出すのは難しいものです。「そろそろ直したら」と言えば、親御さんからすれば「まだ十分住める」となる。心配しているだけなのに、なぜか責めているように伝わってしまう。親子だからこそ言いにくいということが、この話題にはあると感じています。

わたしたちがご相談をお受けする時、最初にお聞きするのは、どこを直すかではありません。いま実際に不便なことは何か、そして誰が困っているのか。困りごとから入ると、不思議と話が前に進みます。直さないという結論になることもありますが、それも家族で決めた答えなら十分だと思っています。

お彼岸やお盆、年末年始は、家族が同じ場所に集まる数少ない機会です。その時に一度でも話しておくと、いざ何かが起きた時に慌てずに済みます。

ご実家のことで気になる箇所があれば、直すかどうかは別として、一度お話を聞かせてください。

それでは、また。

No.7254

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昼と夜が同じ長さになる日に

今日は秋分の日です。太陽が真東から昇り真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる日だと言われています。

菊池です。

この時期になると、決まって思い出す言葉があります。「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざです。厳しい夏の暑さも、この頃を境に少しずつ和らいでいく。昔の人は、そのことを経験的に知っていたのだと思います。

昼と夜の長さが同じになる、というのは考えてみると不思議な均衡です。1年の中で、光と影がちょうど釣り合う日がある。家づくりに携わっていると、この「釣り合い」という感覚を、つい建物に重ねて考えてしまいます。

性能を追い求めすぎると、家は息苦しくなります。逆に、開放感だけを優先すると、夏や冬の過ごしにくさが残ります。断熱と通風、デザインと機能、コストと性能。家づくりの現場では、常にどこかで釣り合いを取る作業が続いています。100点満点の正解があるわけではなく、その家族にとってちょうどいいバランスを、一緒に探していくような仕事です。

季節も同じように、暑さから寒さへ、少しずつ均衡点を移していきます。秋分の日を過ぎると、夜のほうが少しずつ長くなっていきます。急に変わるのではなく、少しずつ。家づくりも、暮らしも、そういうゆるやかな移り変わりの中にあるのだと思います。

これから深まっていく秋を、皆さまがゆったりと過ごされますように。

それでは、また。

No.7253

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秋の彼岸に、外壁を見上げてみる

今日から秋分の日にかけて、いわゆる秋のお彼岸の時期に入ります。

菊池です。

お墓参りやご実家への帰省で、久しぶりにご自身が育った家や、ご両親の暮らす家を訪ねる方も多いのではないでしょうか。せっかくの機会なので、少しだけ外壁を見上げてみることをおすすめしています。

外壁は、雨や紫外線を長年受け続ける部分です。塗装が劣化してくると、色あせだけでなく、細かいひび割れが入ることがあります。ひび割れ自体はすぐに雨漏りへつながるわけではありませんが、放っておくとそこから水が入り込み、内部の木材にまで影響が及ぶことがあります。表面上は同じように見えても、5年前と今とでは状態が変わっていることは珍しくありません。

もうひとつ見ておきたいのが、外壁と設備が取り合う部分です。エアコンの配管やベランダの手すりが壁を貫通している箇所は、コーキングが切れやすいポイントです。ここも、遠目にはなかなか気づきにくい場所です。

建物100年サポートで定期点検にうかがう際、わたしたちが必ず外壁を一周して見て回るのは、こうした小さな変化を早めに拾うためです。大きな工事になる前に見つかれば、部分的な補修で済むことがほとんどです。

秋のお彼岸で実家に立ち寄る機会があれば、仏壇の前に座るだけでなく、少し外に出て建物をぐるりと眺めてみてください。もし気になる箇所があれば、遠慮なくご相談ください。

それでは、また。

No.7252

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敬老の日に、古いお客様のことを考える

今日は敬老の日です。この日になると、創業から60年以上のお付き合いの中で出会った、たくさんのお客様のお顔が浮かびます。

菊池です。

わたしたちがお引き渡しをしたお宅の中には、当時30代だったご夫婦が、今では70代、80代になられているケースも少なくありません。子育てのために建てた家に、今はお二人だけで暮らしている。そんなお話を伺うことも増えてきました。

応援団という取り組みを続けている理由のひとつは、こうした長いお付き合いを途切れさせたくないからです。建てた直後は不具合の相談が中心でも、年月が経つと相談の内容が少しずつ変わっていきます。手すりを付けたい、段差をなくしたい、2階を使わなくても暮らせるようにしたい。体の変化に合わせて、家に手を入れたいという相談が増えてくるのです。

こうした時、初めての会社に相談するのと、家のことをよく知っている会社に相談するのとでは、安心感がまったく違います。図面がどこかに眠っている、構造がどうなっているか分かっている、担当していた人間がまだ会社にいる。それだけで、話が早く進みます。

長く地域で仕事をしてきたからこそ、こうした関係を築けているのだと思います。応援団10,000人という目標は、単に数を増やしたいという話ではありません。ひとつひとつのお付き合いを、できるだけ長く続けていきたい、という気持ちの表れです。

今日は、長くお付き合いいただいているお客様に、あらためて感謝を伝えたい一日です。

それでは、また。

No.7251

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5連休は、予定を詰め込みすぎないほうがいい

今年の9月は、敬老の日と秋分の日の間に休日が入り、5連休になっています。

菊池です。

こういう連休になると、つい予定を詰め込みたくなります。旅行、帰省、片付け、普段できない家の用事。休みの日数を見て、あれもこれもと欲張ってしまう気持ちは、わたしにも覚えがあります。

ただ、家づくりのご相談を長く受けてきて感じるのは、連休明けに「結局あまり休んだ気がしない」とおっしゃる方が意外と多いということです。予定を詰め込みすぎると、休みなのに時間に追われる感覚が残ってしまう。これでは、何のための休日かわからなくなってしまいます。

わたし自身、最近は連休の中に、あえて何も予定を入れない時間を作るようにしています。特別なことをしなくても、家の中でゆっくりお茶を飲む、窓を開けて風を感じる、それだけで十分だったりします。予定のない時間があるからこそ、家族との何気ない会話が生まれることもあります。

住まいというのは、こうした「何もしない時間」を心地よく過ごすための場所でもあると思っています。空調の効きすぎない室内、外の風を通せる窓、家族の気配を感じられる間取り。派手さはありませんが、こういう小さな条件が整っているかどうかで、休日の過ごしやすさは案外変わってきます。

予定を詰め込むことだけが、休日の過ごし方ではありません。今年の5連休が、皆さまにとって少しゆとりのある時間になりますように。

それでは、また。

No.7250

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サービスの先にあるもの

シルバーウィークが始まりました。長いお休みの予定を立てている方も多い頃だと思います。

菊池です。

今日は少し、わたしたちの経営理念について書かせてください。相陽建設には「ホスピタリティ第一主義」という言葉があります。私たちの商品や技術を土台にしながら、その先にある「人の心」を考える、という考え方です。

ここで大事にしているのは、サービスと感動を分けて考えていることです。決められた仕事を、決められた通りにこなす。それはサービスであって、当然のことです。ただ、それだけではお客様の心は動きません。感動が生まれるのは、サービスがお客様の予想を少しだけ超えた瞬間だと考えています。

たとえば、お問い合わせへの返信をほんの少し早くする。図面の説明を、専門用語を使わずに丁寧に伝え直す。約束していなかった小さな不具合にも、こちらから気づいて先に手を打つ。ひとつひとつは些細なことです。ただ、その積み重ねが、お客様の記憶に残る部分になるのだと思っています。

この理念を実際の行動に落とし込むために、わたしたちは7つの基本施策というものを掲げています。施工エリアを本社から半径15キロに絞ること。応援団という形でお客様とのご縁を続けること。現場を常にショールームのように整えておくこと。どれも、理念だけで終わらせず、日々の仕事の中で確かめられる形にしておきたいという思いから来ています。

言葉にすると立派に聞こえますが、実際には毎日の小さな判断の積み重ねです。今日もどこかの現場で、その判断が重ねられています。

それでは、また。

No.7249

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庭のことは、家と同時に考えたほうがいい

朝晩の空気が変わり、庭いじりにもちょうどいい季節になってきました。

菊池です。

現在、相模原市矢部のスタジオで、「庭と家を一緒に考える注文住宅相談会」を開催しています。予約承認制で、期間を区切らずに随時受け付けている相談会です。

家づくりのご相談では、間取りや性能の話が中心になりがちで、庭のことは後回しにされる方が少なくありません。土地が決まって、建物のプランがある程度固まってから、余った部分で庭を考える。実際には、逆の順番で考えたほうがうまくいくことのほうが多いと感じています。

たとえば、リビングの窓の外に何が見えるか。隣家の窓と視線がぶつからないか。洗濯物を干す場所から、道路を歩く人にどう見えるか。こうしたことは、建物の配置や窓の位置を決める段階で一緒に考えておかないと、あとから庭だけで解決するのは難しくなります。逆に、はじめから庭と建物をセットで考えておくと、同じ広さの敷地でも、開放感と落ち着きの両方を手に入れやすくなります。

木を1本植える位置ひとつでも、夏の日差しを遮る道具になったり、リビングからの眺めをつくる主役になったりします。植栽は、建物ができたあとの飾りではなく、暮らしを整える設計要素のひとつだと考えています。

土地探しの段階でも、プランがまだ固まっていない段階でも構いません。庭のことも含めて、まっさらな状態からご相談いただければと思います。

ご予約はソールリビングのイベントページから承っています。

それでは、また。

No.7248

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段差ひとつが、暮らしを分けることがある

来週は敬老の日を迎えます。この時期になると、高齢者施設や福祉施設のご相談を振り返ることが増えます。

菊池です。

わたしたちが手がける特殊建築の中には、デイサービスや高齢者向けの住宅といった、福祉に関わる建物があります。住宅の設計とは、考えることの重心が少し違います。住宅では「暮らしやすさ」を家族単位で考えますが、福祉施設では、体の状態がそれぞれ異なる方々が同じ空間を使うことを前提に考えなければなりません。

たとえば、廊下の幅を数センチ広げるだけで、車椅子とすれ違えるかどうかが変わります。床の段差を2センチなくすだけで、つまずく確率は大きく下がります。健康な体で歩いている時には気づきにくい差ですが、体力や視力が少しずつ変わっていく方にとっては、その2センチが「ひとりで歩けるかどうか」を分ける境界線になることがあります。

もうひとつ大切なのが、スタッフの動線です。利用者の方の安全を守りながら、日々の業務を効率よくこなせるかどうか。ここが計画できていないと、現場で働く方の負担がそのまま積み重なっていきます。使う人と、支える人。両方の視点を同時に満たす設計が求められる分野です。

住宅とは違う難しさがある一方で、根っこにある考え方は同じだと感じています。そこで過ごす人の毎日を、どれだけ具体的に想像できるか。図面を引く前に、その場所でどんな一日が流れるのかを思い描くことから、わたしたちの仕事は始まります。

それでは、また。

No.7247

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「好きな家」を言葉にする、5つの手がかり

家づくりのご相談で、最初に少し悩まれるのが「好みのスタイル」を言葉にすることです。

菊池です。

雑誌やSNSで見た写真を持ってきていただくことも多いのですが、「素敵だけど、なぜ惹かれたのか自分でもよくわからない」とおっしゃる方は少なくありません。無理もないと思います。好みというのは、感覚的なものだからです。

わたしたちのフルオーダー住宅「ARCEO(アルセオ)」では、その感覚を言葉にする手がかりとして、5つのスタイルを用意しています。無駄をそぎ落とした暮らしを好む方には「EDGE」。自然素材の心地よさを大切にしたい方には「NATURE」。年月を重ねたような大人の雰囲気が好きな方には「BETON」。西海岸の海沿いのような開放感を求める方には「SURF」。そして、昔ながらの平屋の落ち着きを求める方には「HAUS」。

どれかひとつに決めていただく必要はありません。むしろ、いくつかのスタイルの写真を並べて見比べていただくと、「この素材感は好きだけれど、この色使いはちょっと違う」というふうに、ご自身の好みの輪郭が少しずつ見えてきます。

大切なのは、スタイルを選ぶこと自体ではなく、その先にある暮らし方を思い描くことです。どんな時間をその家で過ごしたいか。朝はどんな光の中で目覚めたいか。そこまで具体的にイメージできると、間取りや素材の選び方にも自然と芯が通ります。

ARCEOはどのスタイルであっても、性能や素材へのこだわりは変わりません。0宣言の家をベースに、そこへ意匠のことばを重ねているだけです。まずは気になるスタイルの写真を眺めるところから、始めていただければと思います。

それでは、また。

No.7246

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