UA値0.5以下。その数字が語ってくれないこと

この時期、お客様との打ち合わせで断熱の話になると、少し説明が難しくなります。夏の暑さは過ぎて、冬の寒さはまだ来ていない。1年でいちばん、断熱のありがたみを感じにくい季節だからです。

菊池です。

わたしたちの家は、クワトロ断熱という考え方でつくっています。遮熱、断熱、調湿、透湿という4つの性能を組み合わせたものです。数字でいえば、UA値は0.5以下、C値は0.3以下。性能を比べる時の目安としては、十分に高い水準だと思っています。

ただ、正直に申し上げると、この数字だけをお伝えしても、暮らしの想像はつきにくいのではないでしょうか。UA値が0.1下がったら、冬の朝がどのくらい過ごしやすくなるのか。数字はその答えまでは教えてくれません。

4つのうち、意外と語られないのが「調湿」と「透湿」です。断熱と気密の話は多くの会社がしますが、家の中の湿気をどう逃がすかは、あまり話題になりません。けれども、住み心地に効いてくるのは、実はここだったりします。同じ室温でも、湿度が違えば体の感じ方はまるで変わる。夏のじっとりした不快感も、冬の乾ききった喉の痛さも、温度計だけでは説明がつきません。

無垢材や漆喰といった自然素材は、それ自体が湿気を吸ったり吐いたりします。そして壁の中にこもらせず、外へ抜けていく道をつくる。この2つが噛み合った時に、はじめて「なんだか気持ちがいい」という状態になります。

だからわたしたちは、まず体感してくださいとお伝えしています。矢部のモデルハウスでは、玄関を入った瞬間の空気の違いを感じていただけると思います。数字は、その体感を裏づける根拠として、あとから見ていただければ十分です。

これから涼しくなっていく季節は、家の性能の差が少しずつ表に出てくる時期でもあります。

それでは、また。

No.7243

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