9月の光は、家のかたちを教えてくれる

9月に入って、家に差し込む光の角度が変わってきたことに気づかれた方はいらっしゃるでしょうか。同じ窓、同じ時刻なのに、床の上を照らす面積が明らかに広がっています。

菊池です。

太陽の高さは、季節でこれだけ変わるのかと毎年驚きます。真夏の正午、太陽はほとんど真上にあります。ところが冬至の頃になると、同じ場所でぐっと低いところを通る。この差が、家づくりの設計ではとても大きな意味を持ちます。

なぜなら、夏の光は入れたくないのに、冬の光は目いっぱい入れたいからです。都合のいい話に聞こえますが、太陽の高さが違うおかげで、これは実現できます。軒や庇の出をきちんと計算して設計すれば、高い位置から来る夏の日射は手前で切り落とし、低い角度で差し込む冬の光は奥まで招き入れることができる。機械も電気も使わず、屋根のかたちだけで季節を選り分けているわけです。

この考え方は、決して新しいものではありません。日本の家が昔から深い軒を持っていたのは、意匠のためだけではなく、この理屈を知っていたからです。わたしたちが設計するとき、まずその土地に立って光の道筋を読むのも同じ理由です。隣にどんな建物があるか、東西南北のどちらが開けているか、冬に影が落ちるのはどこまでか。同じ間取りでも、土地が違えば置き方は変わります。

そのうえで効いてくるのが、建物そのものの性能です。SOLE LIVINGの家づくりでは、クワトロ断熱という考え方を採っています。遮熱、断熱、調湿、透湿。この四つを組み合わせるという意味です。熱を跳ね返し、通しにくくし、そのうえで湿気は動けるようにしておく。数値としての断熱性能だけを追いかけると、湿気の逃げ場を失って壁の中を傷める家になりかねません。長く保たせる家にするには、湿気を閉じ込めないことが欠かせないのです。

素材についても同じ考え方です。0宣言の家として、身体に影響のある材料をできる限り使わない。手間はかかりますが、毎日呼吸する場所ですから、ここは譲れないところだと思っています。

言葉で書くと理屈っぽくなりますが、実際に体験していただくと一秒で伝わります。相模原市矢部のモデルハウスは、そのためにあります。秋の光が入る季節は、いちばん違いがわかりやすい時期です。

それでは、また。

No.7235

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