働く場所の暑さは、我慢ではなく設計で解けます

先日、あるお客様の倉庫にお邪魔しました。外より中のほうが暑い、というのは、この仕事をしていると珍しい話ではありません。それでもやはり、扉を開けた瞬間の空気には毎回考えさせられます。

菊池です。

相陽建設には、住宅だけでなく、工場や倉庫、店舗、福祉施設といった非住宅の建物を手がける部門があります。今日はそちらの話を少し。

事業用の建物では、暑さや寒さがながらく「仕方のないもの」として扱われてきました。夏は暑い、冬は寒い、それが現場というものだ、と。実際、そう言われて育った世代の方は少なくありません。けれど、この数年で空気が変わってきたのを感じます。理由ははっきりしていて、人が集まらないからです。

同じ給与、同じ仕事内容なら、快適に働ける場所が選ばれます。求人票には書かれない条件ですが、面接に来た方は必ず見ています。そして、辞める理由としてもきちんと効いてきます。つまり温熱環境の改善は、いまや福利厚生というより採用と定着の投資に近い性質を持ち始めているのだと思います。

では何をするか。よくご相談いただくのが、スポットクーラーを増やしたい、というお話です。もちろん即効性はありますが、根本は解決しません。熱の出入り口をふさがないまま冷やすのは、栓を抜いたままの浴槽にお湯を足し続けるようなものだからです。

先に見るべきは屋根です。金属屋根の建物では、夏場の屋根面が触れないほどの温度になり、その熱が真下の空間にそのまま降りてきます。ここに断熱を入れる、あるいは熱を反射させる。それだけで体感が変わることがあります。次に、こもった熱をどう抜くか。高い位置に排気の経路をつくり、低い位置から新鮮な空気を入れる。空気は暖まれば上に行くという当たり前の性質を使うだけで、機械に頼る量は減らせます。

もうひとつ大事なのが、工事の進め方です。事業用の建物では、営業や生産を止められないことがほとんどです。どの区画を、どの時間帯に、どう区切って進めるか。この段取りの設計こそが、実は費用や納期以上に評価をいただく部分だと感じています。

住宅で積み上げてきた断熱や気密の知見は、そのまま働く場所にも使えます。我慢で乗り切ってきた暑さがあれば、一度ご相談ください。

それでは、また。

No.7234

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