立秋。家の「音」のこと

今日は立秋です。暦の上では、今日から秋。とはいえ外は相変わらずの暑さで、秋を名乗るにはいささか無理があります。

二十四節気をさらに細かく分けた七十二候では、立秋の最初の五日間を「涼風至(りょうふういたる)」と呼ぶそうです。涼しい風が立ちはじめる頃、という意味。今日から出すお便りは、暑中見舞いではなく残暑見舞いになります。

菊池です。

季節の変わり目は、耳で気づくことがあります。夕方、ひぐらしの声が混じりはじめる。あの声を聞くと、ああ、夏も折り返したな、と思う。

音の話が出たので、少し家の話に寄せます。

家の中の音について、設計の段階で相談されることは、ほとんどありません。間取りや設備と違って、図面に描けないからだと思います。ただ、住み始めてから効いてくる要素として、わたしたちはかなり重視しています。

無垢の床と塗り壁の家は、音の響き方が違います。声が硬く跳ね返らない。ビニールクロスと合板の部屋で話すと、自分の声が少し上ずって聞こえることがありますが、あれが起きにくい。木も漆喰も表面に細かな凹凸があって、音を吸ったり散らしたりしてくれるからです。

だから、家族の会話の声量が自然と下がります。テレビの音量も下がる。ご入居後に「家の中が静かになりました」と言われることがあって、これは断熱による外音の低減もありますが、内側の響きの変化も大きいと感じています。

窓を開ければ、虫の声が聞こえる家。閉めれば、外の音が遠くなる家。どちらも選べるのが、いい家だと思っています。

残暑はこれからが本番です。どうぞご自愛ください。

それでは、また。

No.7206

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