名前の出ない建物のこと

「相陽建設さんって、注文住宅の会社ですよね」と言われることがあります。半分は当たっていて、半分は違います。

菊池です。

わたしたちにはもうひとつ、特殊建築という柱があります。学校、公民館、博物館、病院といった公共の施設。会社の社屋や工場、大型店舗。マンションや、木造の特殊建築、鉄筋コンクリート造の住宅。こちらを長年にわたって手がけてきました。

相模原市内のLCA国際小学校。田名公民館の改修工事。市営上九沢団地。町田市の丘陵にある「メモリアルフォレスト多摩」。鎌倉山のカフェ&パティスリー。神奈川県下の建築コンクールで優秀賞をいただいたこともあります。

住宅との一番の違いは、「使う人の顔が特定できない」ことです。

一戸の家であれば、そこに住むご家族の暮らしを伺い、その方に合わせてつくることができます。でも小学校は、これから何十年ものあいだ、まだ生まれていない子どもたちも使う建物です。公民館には、地域のあらゆる年代の方が入れ替わり立ち替わり訪れます。

だから、設計と施工の前に、その建物が何のためにあるのかを深く理解するところから始めます。誰がどんな時間を過ごす場所なのか。人と人とがどこで出会うのか。四季をどう感じてもらえるか。そこを外すと、きれいに建っていても使われない建物になってしまいます。

わたしたちは「満足」ではなく「感動」を商品にしたいと考えています。単なるサービスの範囲では、感動は生まれません。相手の予想を大きく超えたときに、初めて生まれるものだと思っています。

通学路にある学校。休日に立ち寄る公民館。名前が表に出ることのない建物にも、誰かが図面を引き、誰かが現場に立った時間があります。

このあたりを歩いていて、そういう建物にふと出会えるのは、地域でずっとやってきた会社ならではの役得かもしれません。

それでは、また。

No.7204

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