
週の始まりに、少し会社のことを書かせてください。
菊池です。
わたしたちがよく口にする言葉に、「家づくりではなく、暮らしづくり」というものがあります。標語のように聞こえるかもしれませんが、これは仕事の進め方そのものを言い表した言葉です。
家は、引き渡した日が完成ではありません。その日から、誰かの毎日が始まります。朝ごはんをつくる場所、洗濯物を干す場所、子どもが宿題を広げる場所。それらがうまく回るかどうかは、間取り図の美しさとは別のところで決まります。わたしたちが考えているのは建物ではなく、そこで流れる時間のほうだ、ということです。
そのために、ひとつの家に対して営業担当、設計士、コーディネーター、そして現場の大工が、ひとつのチームとして関わります。よくある形は、営業が話を聞いて、設計に渡して、現場に渡す、という順送りです。それでも家は建ちます。ただ、渡すたびに少しずつ何かがこぼれる。お客様が最初に話した「本当はこうしたかった」の温度は、伝言ではなかなか伝わりません。
同じ顔ぶれが最初から最後まで関わっていると、その温度が残ります。現場で判断に迷った時に、「あの時こう言っておられたから、こちらだろう」と考えられる。図面に書かれていないことを埋められるのは、結局そこだと思っています。
創業から60年以上、この地域でやってきました。地元でずっと商売をするというのは、良くも悪くも逃げ場がないということです。10年後にお客様と道でお会いする可能性がある。お子さんが大人になって、家のことで相談に来られる可能性もある。その前提があるから、目先で楽な選択ができません。
そういう緊張感を、ありがたいものだと思っています。
それでは、また。
No.7244
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