紅葉の便りが届くころ、窓は景色を切り取る額縁になる

11月に入り、山のほうから紅葉の便りが届き始めました。少し足をのばして見に行くのもいいですが、家の窓から色づいた木が見えると、それだけで得をしたような気持ちになります。

菊池です。

家づくりのご相談で、窓は「大きく、たくさん」と希望されることがよくあります。明るい家にしたい、という気持ちはよく分かります。ただ、窓を考えるときにわたしが大事にしているのは、大きさよりも、そこから何が見えるかということです。

窓は、外の景色を切り取る額縁のようなものだと思っています。隣の家の壁が正面にある大きな窓より、庭の一本の木や遠くの山並みだけが見える小さな窓のほうが、ずっと心に残ることがあります。見せたいものだけを見せ、見せたくないものは外す。周りの景色を自分の庭の一部のように取り込む考え方を、借景と言います。

もうひとつ、窓の高さも大切です。立って見るのか、ソファに座って見るのか、床に座って見るのかで、ちょうどいい高さは変わってきます。座ったときに目の高さに景色が来る窓は、季節の移り変わりを、暮らしの中で自然に感じさせてくれます。

そのため、土地を見に行くときには、どの方向に何が見えるかを、できるだけ一緒に確かめるようにしています。冬は葉が落ちて見通しがよくなり、夏は緑が目隠しになる。そういう季節ごとの変化も、窓を決める手がかりになります。

窓の向こうに何を見たいか。家づくりのときに、一度考えてみていただけたらと思います。

それでは、また。

No.7292

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