文化の日に、家の中で受け継ぎたいものを考える

今日は文化の日です。晴れることが多いと言われる日で、祝日をどう過ごそうかと考えている方も多いのではないでしょうか。

菊池です。

文化と聞くと、美術館や伝統芸能のような、少し遠いものを思い浮かべがちです。けれど、わたしは家の中にも小さな文化があると思っています。その家ならではのやり方や、使い続けてきたもの、大事にしてきた習慣のことです。

古いお宅の点検に伺うと、柱に子どもの背比べの傷が残っていることがあります。鉛筆で書いた線と日付が、何本も並んでいる。あるいは、何十年も使われてきた木の踏み台や、きちんと手入れされた縁側。どれも図面には書かれていませんが、その家の時間をいちばんよく語ってくれるものだと感じています。

新しく家を建てるとき、つい性能や間取りの話が中心になります。それはもちろん大切です。ただ、ご相談を長く受けてきて感じるのは、住み始めてから少しずつ育っていくものこそが、家を「わが家」にしていくということです。

たとえば、季節ごとに飾るものを決めておく。お正月の準備を家族で分担する。無垢の床に年に一度ワックスをかける日をつくる。どれも小さなことですが、続けていくうちに、その家の決まりごとになっていきます。子どもたちが大きくなったとき、ふと思い出すのは、案外そうした風景なのかもしれません。

受け継ぐというと大げさに聞こえますが、まずは「この家で続けていきたいこと」をひとつ決めてみる。そこから始まる文化もあると思っています。

せっかくの祝日です。家の中を見回して、残していきたいものをひとつ探すくらいから、始めてみてください。

それでは、また。

No.7294

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