経験を「その人だけのもの」にしないために。

建設の仕事では、図面やマニュアルだけでは伝え切れない判断が数多くあります。

菊池です。

現場の状況を見て作業の順番を変える。職人さんとの会話から小さな違和感を察知する。天候や周辺環境を考え、予定より早めに準備する。

経験を積んだ人にとっては自然にできることでも、若い社員からすると、「なぜ、その判断になったのか」が分からない場合があります。

ここで先輩が「経験すれば分かる」と言ってしまえば、技術はその人の中に残ったままです。

もちろん、実際の現場を経験しなければ身につかないことはあります。それでも、判断の理由や見るべきポイントを言葉にして伝えれば、成長の速度は変わると思います。

失敗事例を共有することも大切です。

うまくいった現場だけを振り返ると、結果は分かっても、その途中で何に迷い、どこを修正したのかが見えません。むしろ、小さな失敗や判断に悩んだ場面の方が、次の現場で生きる知識になります。

当社でも、施工管理の手順や確認事項を整理し、経験の浅い社員が現場で迷いにくい環境づくりを進めています。

ただし、マニュアルを渡すだけで人が育つわけではありません。

書かれている通りに確認するだけでなく、なぜ確認が必要なのか、確認しなかった場合に何が起きるのかまで伝える。そこまで理解して初めて、別の現場でも応用できるようになります。

教える側にとって、自分の経験を言葉にするのは簡単ではありません。それでも、人に説明しようとすると、自分自身の仕事の進め方を見直す機会にもなります。

経験を抱えるのではなく、次の世代が使える形で残す。

会社として同じ品質を守り続けるためにも、ベテランと若手の間で、もっと判断の理由を共有していきたいと思います。

それでは、また。

No.7194

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