建設会社の仕事は、「できないこと」を伝えることでもある。

建築の相談を受ける側として、お客様の希望にはできる限り応えたいと思っています。

菊池です。

しかし、すべての要望に対して、その場で「できます」と答えることが、必ずしも親切とは限りません。

土地や建物の条件、構造、予算、工期、周辺環境などによって、希望通りに実現することが難しい場合があります。技術的には可能でも、費用や将来の維持管理を考えると、別の方法を選んだ方がよいこともあります。

そんな時に大切なのは、単に「できません」と断ることではありません。

なぜ難しいのか。実施した場合にどのような負担やリスクがあるのか。希望の目的を満たす別の方法はないか。そこまで説明して初めて、相手が判断できるようになります。

例えば、大きな窓を設けたいという希望があっても、構造や日射、外からの視線、家具の配置まで考えると、別の大きさや位置の方が暮らしやすい場合があります。

営業中の建物を短期間で改修したいという相談でも、安全や品質を確保できない工程であれば、工期や施工方法を見直す必要があります。

お客様にとっては、期待していた答えと違うかもしれません。

それでも、契約するために都合のよい返事をするより、計画の早い段階で条件を正直にお伝えする方が、完成後の後悔を減らせると思っています。

建設の仕事は、形のあるものを長く残す仕事です。

その場で喜んでいただくだけでなく、使い始めてからも「この判断でよかった」と思っていただけることが大切です。

できることと、難しいこと。その両方を根拠と一緒にお伝えし、納得できる答えを一緒に探す。

それも、建設会社が果たすべき役割だと考えています。

それでは、また。

No.7201

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