「地頭は能力ではなく状態」と言われて、足が止まりました

9月に入っても暑さが抜けませんが、朝晩の空気だけは少し変わってきました。夏の間なかなか手がつかなかった読書を、ようやく再開しています。

菊池です。

本日はこちらの書籍を。

『地頭スイッチ』(著者:木下勝寿ダイヤモンド社)

北の達人コーポレーションを一代で上場まで育てた方の本です。正直に言うと、タイトルを見た時は「地頭なんて生まれつきのものだろう」と思っていたり。

ところが冒頭で、地頭は「能力」ではなく「状態」だと書かれていて、そこでいきなり足を止められました。良い悪いではなく、使うか使わないか。スイッチの場所と押し方さえわかれば、誰でもその状態に入れる、と。

紹介されているスイッチのひとつに「モゲジョの法則」というものがあります。モゲジョとは、目的・現状・条件のこと。この3つを意識するだけで、作業する人から考える人へ変わっていく、という話でした。

読みながら、少し耳が痛かったです。わたしたちの仕事でも、たとえば「この壁の仕上げを変えてほしい」とご要望をいただいた時に、変えること自体が目的になってしまう場面があります。本当は、その先にお客様が思い描いている暮らしがあるはずなのに。目的を確かめないまま手を動かすと、直したのに喜ばれない、ということが起きます。

もうひとつ、目的をさかのぼって考えるスイッチも印象に残りました。目の前の一部分ではなく、全体を見る癖のことです。現場でいえば、自分の持ち場だけを見るのか、その建物が10年後どう使われているかまで見るのか。同じ作業でも、見えている景色がまるで違ってきます。

偉そうなことを書ける立場ではありませんし、明日からいきなり変われるとも思っていません。ただ、押すべきスイッチがどこにあるのかを知っているのと知らないのとでは、迷った時の戻り先が違うのだろうな、とは思いました。

それでは、また。

No.7238

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「要するに、どういうことか」

打ち合わせから戻る車の中で、自分の説明は長かったな、と反省することがあります。話しているうちに、あれもこれもと付け足してしまう。相手の顔が少し曇ったところまで、あとから思い出したりします。

今月の課題図書は、羽田康祐さんの『本質をつかむ』でした。

菊池です。

本書は、物事の本質を見抜く力を七つに分けて解説しています。意味、原因、目的、特性、価値、関係、大局。それぞれについて、なぜその力が要るのか、どういう順番で頭を使えばいいのかが整理されていました。

読みながら思い出したのが、弊社の企業理念です。三つある項目の二番目に、「大自然のごとく執着停滞する事無く、本質を見極め理解されるよう努力すべし」とあります。入社してから何度も目にしてきた一文ですが、では本質を見極めるとは具体的に何をすることなのか。そう問われると、これまでうまく答えられずにいました。

七つのうち、自分に足りていないと感じたのは「目的」を見抜く力です。何のためにそれをするのかを、繰り返し自分に問い直す。そのうえで、それが本当の目的かどうかを確かめる。

家づくりの打ち合わせでも、同じことが起きています。「対面キッチンにしたい」とご要望をいただいたとき、そのまま図面に落とすのは簡単です。でも、その奥にあるものが「子どもの様子を見ながら料理したい」なのか、「片づけの動線を短くしたい」なのかで、答えは変わります。前者なら、必ずしも対面である必要はないかもしれません。

言われたとおりにつくることと、望まれたものをつくることは、似ているようで違う。分かっているつもりで、まだできていないところです。

もっとも、本を一冊読んだくらいで身につくものではない、と著者自身が書いています。筋トレのようなもので、日々の習慣で少しずつ鍛えるものだ、と。最終章には一週間分のトレーニングまで用意されていて、そこまで言われると、やってみるほかありません。

まずは、休み明けの会議で自分が話す内容を、一度「要するに何か」で削ってから持っていこうと思います。

それでは、また。

No.7213

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「休む=何もしない」ではなかった。

忙しい日が続くと、「今日は早く寝よう」「週末は何もしないで過ごそう」と考えます。それで疲れが取れる時もありますが、しっかり休んだはずなのに、月曜日から体が重いということもあります。

菊池です。

今月の課題本は、片野秀樹さんの『今さら聞けない 休養の超基本 疲労ゼロを習慣化する』

この本で印象に残ったのは、休養を単に「活動を止めること」と捉えていない点。睡眠や安静だけで疲れを回復させようとするのではなく、休養した後に再び動くための「活力」まで整える。その考え方は、自分の中にあった休み方を少し見直すきっかけに。

私自身、何も予定を入れずに過ごすより、山へ出掛けたり、体を動かしたり、好きな本を読んだりした方が、翌日に気持ちが切り替わっていることがあります。

以前は、それを休養というより「趣味の時間」と考えていました。しかし、仕事とは違うことへ意識を向け、心身をリセットして次の活力を得ていると考えれば、これも立派な休養なのだと思います。

仕事についても同じです。

疲れがたまってから長く休むだけでなく、疲れをためにくい働き方を考える。集中する時間と力を抜く時間を分ける。短い時間でも仕事から意識を離す。そうした小さな行動を習慣にする方が、結果として安定した力を発揮できるのかもしれません。

特に建設の仕事は、現場の安全や品質に関わる判断が続きます。疲労を我慢して働き続けることが、必ずしも責任感とは言えません。良い判断を続けるために自分の状態を整えることも、仕事の一部だと思います。

休むことに後ろめたさを感じるのではなく、次にしっかり動くための準備と捉える。

まずは、自分にとって本当に活力が戻る休み方は何かを、改めて考えてみようと思います。

それでは、また。

No.7189

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「時間がない」の正体

先月の課題図書。

『ハーバード、スタンフォード、科学的に証明された時間をムダにしない人の習慣』

タイトルだけ見ると小手先のテクニック集のようですが、中身はもっと根本的な話でした。

「時間が足りない」「やらなきゃいけないのに手がつかない」というのは、意志が弱いからではなく、脳がもともとそうできているだけだそうです。難しいことや面倒なことを前にすると、脳はスマホや別の作業に逃げたくなる。これは怠けではなく、不安やストレスから自分を守ろうとする防衛反応なのだと知り、少し気持ちが軽くなり。

印象に残ったのは、「やる気が出たら始める」のではなく「始めるからやる気が出る」という考え方。

とりあえず5分だけ手をつけてみる。完璧を狙わず、小さく動き出す。これは私たちの仕事にも通じるところがあります。家づくりも、最初から完璧な答えを用意しようとするとかえって前に進みません。まずは土地を見に行く、資料を眺めてみる、モデルハウスに足を運んでみる。小さな一歩が、大きな決断につながっていくのだと思います。

家づくりを考え始めた方も、まずは小さな一歩からで大丈夫です。私たちも、その一歩に寄り添えるよう、日々学び続けていきたいなと。

それでは、また。

No.7175


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「神・時間術」を読んで思ったこと ― 時間を“使う”って、案外シンプルかもしれない

今月の課題図書。

脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術

タイトルだけ見ると、いかにも自己啓発っぽくて、正直そんなにガツガツ読むつもりはなかったんです。 ただ、読み始めてみると、内容がかなり“現場の感覚”に近くて、思った以上に頷きながら読み進めることになりました。

菊池です。

この本でいちばん印象に残ったのは、「集中力 × 時間 = 仕事量」という考え方。 同じ1時間でも、集中している1時間とそうでない1時間では、出てくる成果が全然違う。 これは、社会人をある程度やっていると、感覚として誰しも分かっている話だと思います。 ただ、その“当たり前”を、ちゃんと一日の中で意識して組み立てているかと言われると、自分も含めて意外とできていないんですよね。

特になるほどと思ったのは、朝の時間の使い方の部分です。 起きてから2~3時間は、脳のいちばん調子がいい時間帯らしく、ここを“決断”や“考える仕事”に当てた方がいいと書かれていました。 逆に、メール返信や事務作業のような、頭をあまり使わない仕事を朝イチに片付けてしまうのは、もったいない使い方になる、と。 これを読んで、ちょっと耳が痛いなと思った人は、たぶん私だけじゃないと思います。

それと、午後の集中力が落ちる時間帯には、無理に頑張ろうとせず、軽く体を動かしたり、外の空気を吸ったりして“リセットする”方がいい、という話も印象的でした。 机にしがみついて、ぼーっとした頭で時間だけ進めるより、5分10分でも一回切った方が、結果的に進む。 これも、やってみると確かにそうだなと感じます。

ここからは、本の話というより所感ですが、 自社の仕事って、現場、設計、営業、事務、それぞれ動き方が全然違います。 だから、「全員が朝イチで考える仕事をしましょう」みたいな、画一的な働き方は合いません。 ただ、自分の中で「今、自分は集中できている時間なのか、そうじゃないのか」を意識するだけでも、一日の質はけっこう変わると思うんです。 忙しい時ほど、ただ時間を埋めるような働き方になりがちなので、そこは私自身も気をつけたいなと、改めて感じました。

時間は誰にとっても平等で、これだけは絶対に増えない。 だからこそ、長く働くより、いいタイミングに集中して働く方が、結局は仕事も人生も気持ちよく回るのかもしれませんね。 気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。

それでは、また。

No.7133

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数字が苦手でも、大丈夫だと思える一冊

先日読んだこちらの書籍。

『「数値化」中毒 なぜ手段が目的に変わるのか』著者 小塩 真司 

タイトルだけ見ると、少し難しそうですし、「数字が苦手だから、自分には関係ないかな」と感じる人もいるかもしれません。
でも、実際に読んでみると、数字に強い人向けというより、数字との付き合い方を考えさせられる本だなと。

菊池です。

仕事をしていると、数字は必ず出てきます。
売上、件数、粗利、工期、回数、時間。
建設の仕事も例外ではなく、現場でも営業でも経営でも、何かしら数字と向き合います。
だからといって、数字が得意な人だけが仕事ができる訳ではない。
ここ、若い人にはぜひ知っておいてほしいなと思います。

この本で面白かったのは、数字は本来“見るための道具”なのに、気づくと数字を追うこと自体が目的になってしまう、という話でした。
これ、すごく分かるんですよね。
件数を追う。
時間を詰める。
進捗率を上げる。
どれも大事なんですが、それを達成することだけが目的になると、本来見ていたはずの中身が薄くなる。
つまり、数字が悪いのではなく、数字の使い方を間違えるとしんどくなるという話。

数字が苦手な若手社員に伝えたいのは、「全部を完璧に読めなくてもいい」という事。
まずは、何のための数字なのかを知ること。
売上を見るのも、件数を見るのも、現場の時間を見るのも、本来は仕事の中身を良くするため。
そこが分かると、数字は“責めてくるもの”ではなく、“助けてくれるもの”に変わってきます。

逆に、数字そのものを怖がりすぎると、見なくなってしまう。
でも見なくなると、今度は勘だけで動くことになって、もっと苦しくなる。
だから、数字は仲良くしなくてもいいけれど、逃げなくていい。
「これは何を見るための数字なんだろう?」と一回考えるだけで、だいぶ違います。

若手のうちは、数字に強い先輩を見ると、自分には無理だなと思うこともあるかもしれません。
でも、最初から“数字に強い人”なんてあまりいなくて、だいたいは少しずつ慣れていくものです。
大事なのは、数字に振り回されることではなく、数字の意味を考えられるようになること。
そこに気づけるだけでも、この本は十分読む価値があるなと思いました。

それでは、また。

No.7106

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「どうせ無理」を減らせる人でいたいと思った一冊

今月の課題図書。

『「どうせ無理」と思っている君へ 本当の自信の増やしかた』。著者:植松努

菊池です。

この本を読んでいて強く感じたのは、自信というのは、最初から大きく持っている人だけのものではない、ということ。
何か特別な才能があるから前に出られるのではなくて、小さくやってみる、少しできる、またやってみる。その積み重ねの中で、少しずつ増えていくものなんだろうなと。
この感覚は、仕事にもすごく近い気がしたかと。

会社の中でも、経験がある人からすると「これくらいできるだろう」と思うことがある。
でも、受け取る側からすると、その一歩が高いこともある。
その時に、「なんでできないの」ではなく、「まずどこからなら始めやすいか」を一緒に考えられるかどうか。
ここで、その人の次の一歩はかなり変わるんじゃないかと。

本の中で語られているのは、単純な根性論ではなくて、「どうせ無理」という気持ちを減らしていく考え方。
これ、社員との関わり方にもそのまま通じるなと感じます。
人を動かすというより、挑戦しやすい空気をつくる。
失敗しない人を増やすより、やってみようと思える人を増やす。
言葉にすると地味ですが、組織の空気って、案外こういうところで決まるのかもしれません。

自身の立ち位置にいると、つい結果やスピードに目が行きます。
もちろんそれは大事です。
ただ、その前に「この人は今、自分で一歩踏み出せる状態かな」と見ることも、同じくらい大事なんでしょうね。

出来ていませんが💦

背中を押す、というより、“どうせ無理”を少し減らす。
その関わり方ができる人でありたいなと、この本を読んであらためて思いました。

自信は、持てと言われて持てるものではない。
でも、増えやすい環境や、減りにくい言葉のかけ方はある。
そういう意味では、組織もまた、人の自信を育てる場所であるべきかなと。

それでは、また。

No.7101

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“指示”は技術というより、日々の姿勢

今月の課題図書は、『上手に「指示できる人」と「できない人」の習慣』鶴野 充茂 著)。
タイトルだけ見ると、少し強めというか、「指示する側」の話に聞こえますが、実際に読んでみると、上から人を動かすための本というより、“相手に伝わる関わり方”を整える本だなと。

菊池です。

どうしても日常の中で“伝える側”になる場面は増えます。
社内でも現場でも、何かをお願いしたり、方向を揃えたり、タイミングを合わせたり。
ただ、そこで改めて思うのは、「言ったかどうか」と「伝わったかどうか」は、やっぱり別なんですよね。

この本の中でも、相手を動かす人は、ただ命令が上手いのではなく、
相手が受け取りやすい形に整えているというのが一つのポイントとして出てきます。
これは読んでいて、すごく納得感が。
指示って、こちらの都合だけで短く出せば済む時もありますが、毎回それだと関係は少しずつ痩せていく。
逆に、ちょっとした言葉の置き方や、背景の共有や、相手の状況を見た一言があるだけで、受け取られ方が全然違う。
この差って、仕事の結果以上に、日々の空気に効く気がします。

個人的に印象に残ったのは、“相手をコントロールする”のではなく、“動きやすい状態をつくる”という感覚。
管理職という立場の方々は、つい「どう伝えれば動いてもらえるか」と考えがちですが、本当はその前に、「相手が受け止めやすい状態か」「こちらの言葉に余計な圧が乗っていないか」を気にした方がいいのかもしれません。
このあたりは、自分自身もまだまだだなと感じるところです。

住宅でも法人建物でも、お客様とのやり取りは結局“伝え方”に表れます。
分かりやすい説明ができるか。
必要なことを急がせずに伝えられるか。
相手の不安を置き去りにしないか。
これは社内だけの話ではなく、会社としての姿勢にもつながる話なんだろうなと思いました。

“指示が上手い人”というより、“相手と仕事がしやすい人”。
この本を読んで、そんな言葉の方がしっくりきました。
新年度前のこのタイミングで、自分の伝え方を少し見直すには、いい一冊だったなと思います。

それでは、また。

No.7078

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メンターになる人、老害になる人。—読んで刺さった“距離感”の話

今月の課題図書、『メンターになる人、老害になる人。』(著者:前田 康二郎)

菊池です。

タイトルが強めなので(笑)身構えましたが、中身は意外と現実的で、「これは組織でも家庭でも刺さるな…」という内容でした。

印象に残ったのは、「教える側の正しさ」よりも、相手の成長の余白を残せているかという視点。

メンターって、つい“正解を渡す人”になりがちです。

でも、正解を渡し続けると、相手は自分で考える機会を失っていく。

結果、成長が止まる。ここは耳が痛いです。

逆に老害化する人の特徴として、(本の言葉を借りれば)「昔うまくいった方法」を“万能薬”みたいに扱ってしまうところがある。

本人に悪気はない。むしろ善意。

だけど、時代も状況も違うのに、同じ打ち手を押し付けてしまう。

これ、会社の中でも、現場でも、よくあります。

たとえば工事の段取りでも「昔はこうだった」で決めると、今の働き方や安全基準とズレることがある。

家づくりでも「俺の時代はこうだった」で話を進めると、家族の生活に合わないことがある。

結局、相手が苦しくなる。

読んで改めて思ったのは、メンターって「言う人」じゃなくて、“問いを置ける人”なんだろうな、ということ。

「君はどうしたい?」
「その選択の理由は?」
「じゃあ一回、小さく試そう」

こういう問いがあると、相手は自分の言葉で整理できる。

整理できると、行動できる。行動できると、成長が回り始める。

シンプルだけど強い。

個人的に刺さったのは、メンター側の“自己更新”の話。

教える側が更新を止めた瞬間、教える内容も止まる。

止まったものを渡し続けたら、相手の未来に合わなくなる。

そうなると、気づいたら「老害側」に立ってしまう。

怖い話ですが、だからこそ“自分も学び続ける”が大事なんだと。

会社の中で若手と話すとき、子どもと話すとき、お客様と話すとき。

相手の答えを急がせずに、でも放置もしない。

この“距離感”を忘れないようにしたいなと、背筋が伸びました。

それでは、また。

No.7050

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“組織と目標”のリアル

2026年最初の書籍は、年末年始休暇中の帰省途中に読んだこちら。

「成長以外、全て死」著者:中野優作

タイトルからしてかなりパンチがあるなと。

正直、最初は「ちょっと言い過ぎじゃない?」くらいの気持ちでページを開きましたが、読み進めるうちに、組織やマネジメントに関わる立場として、耳が痛くなるフレーズがいくつも刺さる。

一番印象に残ったのは、「成長=売上や規模を大きくすること」だけではなく、“基準を更新し続けること”だと繰り返し語られている点。

昨日までOKだった仕事を、今日も同じ基準で良しとするのか。

組織として「これくらいでいいよね」と空気が緩んだ瞬間から、緩やかな“後退”が始まってしまう。

この感覚は、業種に関係なくどの組織にも当てはまるなと感じた。

マネジメントについても、「管理」より「熱量」をどう伝播させるか、という視点がとても分かりやすい。

部下を“動かそう”とする前に、自分自身がどれだけ本気で目標を語れているか。

数字やスローガンだけを掲げて、肝心のリーダーの目が死んでいないか。

リーダーの温度感がそのまま組織の温度になる、という指摘には、深くうなずける。

目標の立て方についても、いわゆる「無難な予算組み」への警鐘が鳴らされている。

・ちょっと頑張れば届きそうな目標
・前年+αくらいの目標

これだけだと、組織の空気は大きく変わらない。

「本気でいまの延長線上からはみ出す数字」を置いたときに初めて、やり方を変える必然性が生まれる――。

このあたりは、実際にゼロから事業と組織を伸ばしてきた著者の言葉だからこその説得力があるし、実際に自身の経験からも、過去を振り返れば、どうてもイメージできないはみ出した数字を追いかけた時が過去自身最高の結果だったのも事実である。

同時に、本書は“根性論”だけで押し切る内容ではない。

現場での失敗談や、うまくいかなかったマネジメントの話も包み隠さず書かれていて、「やらかしながら、その都度アップデートしてきたんだな」というリアルさがある。

しかし、今の自社の多く社員の感覚は、この「やらかすぐらいなら触らない方が・・・」という意識値の方が多いというのが現実。

そういう社員に対して「完璧なリーダーじゃなくても、ちゃんと成長は選べる」と背中を押せる人間に、僕自身がなってないからだという結果だと理解しています。

故に個人的には、組織や部下に「もっと成長しろ」と言う前に、まず自分自身の“基準の更新”をサボっていないか、2026年の自分の目標が、無難な延長線になっていないか、再確認のきっかけになった一冊だ。

今はそれなりに結果も着いてきている、しかし、この先の数年間を「挑戦」なしの現状維持の確保に走れば、また8年前の悪夢を繰り返すだろうと感じているので、2026年は更に「熱く、厳しく」を自身に課す事がマストかと。

少し刺激強めのタイトルですが、中身はかなり実務寄りで、会社経営やマネジメントに関わる人には素直にお勧め。

「最近、組織が守りに入っているな…」と感じている方ほど、刺さるところが多いかと。

それでは、また。

No.6995

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