点検に伺うと、話は家のことだけでは終わらない

涼しくなって、家の外まわりをゆっくり見て回れる季節になりました。汗を拭きながらの点検も、ようやく一段落です。

菊池です。

建物100年サポートの定期点検では、見る場所がおおよそ決まっています。床下をのぞき、外壁や屋根まわりを見て、建具の動きや水まわりの様子を確かめる。点検表の項目をひとつずつ埋めていけば、家の今の状態はひととおり分かります。

ただ、実際にはそれだけで帰ることはあまりありません。点検のあと、お茶を一杯いただきながら話していると、話題は自然とご家族のことに移っていきます。お子さんが進学で家を出た、親御さんと一緒に暮らすことになった、在宅で仕事をするようになった。建てた時には想像していなかった変化が、どの家にも少しずつ起きています。

そうした話の中に、住まいのヒントが含まれていることがよくあります。空いた子ども部屋の使い道、気になり始めた階段の上り下り、仕事の電話をする場所。点検表には載っていないけれど、暮らしの中では確かに困りごとになっていることです。ここが、住まいのやっかいなところだと思っています。

わたしたちが引き渡しのあとも伺い続けるのは、家の傷みを見つけるためだけではありません。暮らしが変わるたびに、家もそれに合わせて少しずつ手を入れていく。そのお手伝いをするには、話を聞ける関係が続いていることが何より大切だと感じています。

点検の日は、家のことに限らず、気になっていることを何でも聞かせてください。

それでは、また。

No.7265

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最初のご相談で、わたしたちが本当に聞きたいこと

過ごしやすい季節になって、家づくりを考え始めたという方からのご連絡が増えてきました。

菊池です。

初めてご相談にいらっしゃる方は、たいてい少し緊張されています。予算はどれくらいで考えればいいのか、土地が決まっていなくても大丈夫なのか、間取りの希望をまとめてこなければいけないのか。準備が足りないのではないかと、気にされている方が多い印象です。

正直に申し上げると、最初のご相談で間取りや金額の細かい話をすることは、あまりありません。わたしたちが本当に聞きたいのは、今の暮らしのことです。朝は何時ごろ起きて、誰がどこで身支度をしているのか。休日はどう過ごしているのか。今の家で、ちょっと困っていることは何か。

こうした話は、一見すると家づくりと関係がなさそうに思えます。ただ、図面に書かれていないことを埋められるのは、結局そこだと思っています。洗濯物をどこで畳むか、子どもがどこで宿題を広げるか。暮らしの細かな場面が分かってはじめて、そのご家族にとって使いやすいかたちが見えてきます。

ですから、希望がまとまっていなくても構いません。「なんとなく今の家が暮らしにくい」という一言からでも、十分に話は始められます。雑談のように話しているうちに、ご自身でも気づいていなかった希望が出てくることもよくあります。

家づくりではなく、暮らしづくり。最初のご相談は、その入口だと考えています。

話してみるだけ、というつもりで、気軽にお声がけください。

それでは、また。

No.7263

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お彼岸に実家へ帰ると、家の話になる

お彼岸の時期に合わせて、久しぶりにご実家へ帰られた方も多いのではないでしょうか。

菊池です。

この時期を過ぎたあたりから、「実家の家のことで少し相談したい」というご連絡をいただくことが増えます。お墓参りのついでに立ち寄ったら、思っていたより家が傷んでいた。そういう話から始まることがほとんどです。

久しぶりに実家に入ると、住んでいた頃には気にならなかったものが目に入ります。外壁の色あせ、網戸の破れ、使わなくなった二階の部屋。ひとつひとつは大したことではなくても、まとめて目にすると、この家はこの先どうなるのだろうという気持ちになります。

ただ、それをその場で口に出すのは難しいものです。「そろそろ直したら」と言えば、親御さんからすれば「まだ十分住める」となる。心配しているだけなのに、なぜか責めているように伝わってしまう。親子だからこそ言いにくいということが、この話題にはあると感じています。

わたしたちがご相談をお受けする時、最初にお聞きするのは、どこを直すかではありません。いま実際に不便なことは何か、そして誰が困っているのか。困りごとから入ると、不思議と話が前に進みます。直さないという結論になることもありますが、それも家族で決めた答えなら十分だと思っています。

お彼岸やお盆、年末年始は、家族が同じ場所に集まる数少ない機会です。その時に一度でも話しておくと、いざ何かが起きた時に慌てずに済みます。

ご実家のことで気になる箇所があれば、直すかどうかは別として、一度お話を聞かせてください。

それでは、また。

No.7254

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敬老の日に、古いお客様のことを考える

今日は敬老の日です。この日になると、創業から60年以上のお付き合いの中で出会った、たくさんのお客様のお顔が浮かびます。

菊池です。

わたしたちがお引き渡しをしたお宅の中には、当時30代だったご夫婦が、今では70代、80代になられているケースも少なくありません。子育てのために建てた家に、今はお二人だけで暮らしている。そんなお話を伺うことも増えてきました。

応援団という取り組みを続けている理由のひとつは、こうした長いお付き合いを途切れさせたくないからです。建てた直後は不具合の相談が中心でも、年月が経つと相談の内容が少しずつ変わっていきます。手すりを付けたい、段差をなくしたい、2階を使わなくても暮らせるようにしたい。体の変化に合わせて、家に手を入れたいという相談が増えてくるのです。

こうした時、初めての会社に相談するのと、家のことをよく知っている会社に相談するのとでは、安心感がまったく違います。図面がどこかに眠っている、構造がどうなっているか分かっている、担当していた人間がまだ会社にいる。それだけで、話が早く進みます。

長く地域で仕事をしてきたからこそ、こうした関係を築けているのだと思います。応援団10,000人という目標は、単に数を増やしたいという話ではありません。ひとつひとつのお付き合いを、できるだけ長く続けていきたい、という気持ちの表れです。

今日は、長くお付き合いいただいているお客様に、あらためて感謝を伝えたい一日です。

それでは、また。

No.7251

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サービスの先にあるもの

シルバーウィークが始まりました。長いお休みの予定を立てている方も多い頃だと思います。

菊池です。

今日は少し、わたしたちの経営理念について書かせてください。相陽建設には「ホスピタリティ第一主義」という言葉があります。私たちの商品や技術を土台にしながら、その先にある「人の心」を考える、という考え方です。

ここで大事にしているのは、サービスと感動を分けて考えていることです。決められた仕事を、決められた通りにこなす。それはサービスであって、当然のことです。ただ、それだけではお客様の心は動きません。感動が生まれるのは、サービスがお客様の予想を少しだけ超えた瞬間だと考えています。

たとえば、お問い合わせへの返信をほんの少し早くする。図面の説明を、専門用語を使わずに丁寧に伝え直す。約束していなかった小さな不具合にも、こちらから気づいて先に手を打つ。ひとつひとつは些細なことです。ただ、その積み重ねが、お客様の記憶に残る部分になるのだと思っています。

この理念を実際の行動に落とし込むために、わたしたちは7つの基本施策というものを掲げています。施工エリアを本社から半径15キロに絞ること。応援団という形でお客様とのご縁を続けること。現場を常にショールームのように整えておくこと。どれも、理念だけで終わらせず、日々の仕事の中で確かめられる形にしておきたいという思いから来ています。

言葉にすると立派に聞こえますが、実際には毎日の小さな判断の積み重ねです。今日もどこかの現場で、その判断が重ねられています。

それでは、また。

No.7249

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地元で60年超、逃げ場がないということ

週の始まりに、少し会社のことを書かせてください。

菊池です。

わたしたちがよく口にする言葉に、「家づくりではなく、暮らしづくり」というものがあります。標語のように聞こえるかもしれませんが、これは仕事の進め方そのものを言い表した言葉です。

家は、引き渡した日が完成ではありません。その日から、誰かの毎日が始まります。朝ごはんをつくる場所、洗濯物を干す場所、子どもが宿題を広げる場所。それらがうまく回るかどうかは、間取り図の美しさとは別のところで決まります。わたしたちが考えているのは建物ではなく、そこで流れる時間のほうだ、ということです。

そのために、ひとつの家に対して営業担当、設計士、コーディネーター、そして現場の大工が、ひとつのチームとして関わります。よくある形は、営業が話を聞いて、設計に渡して、現場に渡す、という順送りです。それでも家は建ちます。ただ、渡すたびに少しずつ何かがこぼれる。お客様が最初に話した「本当はこうしたかった」の温度は、伝言ではなかなか伝わりません。

同じ顔ぶれが最初から最後まで関わっていると、その温度が残ります。現場で判断に迷った時に、「あの時こう言っておられたから、こちらだろう」と考えられる。図面に書かれていないことを埋められるのは、結局そこだと思っています。

創業から60年以上、この地域でやってきました。地元でずっと商売をするというのは、良くも悪くも逃げ場がないということです。10年後にお客様と道でお会いする可能性がある。お子さんが大人になって、家のことで相談に来られる可能性もある。その前提があるから、目先で楽な選択ができません。

そういう緊張感を、ありがたいものだと思っています。

それでは、また。

No.7244

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「あれ、どこに頼めばいいんだろう」をなくしたくて

週の始まりの朝は、なぜか一週間分のやることを思い出してしまうものです。仕事だけでなく、家のこまごまとした用事も一緒に浮かんできて、少し憂鬱になったりもします。

菊池です。

暮らしていると、大きな工事ではないけれど、放っておくと気持ちが晴れないことが次々に出てきます。専門の業者を探すほどではない。でも自分でやるには少し面倒か、少し危ない。そんな中くらいの困りごとが、いちばんやっかいなのだと思います。

そして多くの方が最後に行き着くのが、「これ、どこに頼めばいいんだろう」という問いです。インターネットで検索すれば会社は出てきます。ただ、そこが信頼できるかどうかは、探している側にはわかりません。見積もりが妥当なのかも判断がつかない。結局、面倒になって先送りにする。わたし自身にも身に覚えがあります。

相陽建設が応援団という取り組みを続けているのは、この問いを減らしたいからです。家を建てていただいた方、リフォームでご縁のできた方、地域でお世話になっている方。そうしたつながりを一万人という規模まで広げていきたいという思いから、応援団10,000人という言い方をしています。数字が目的なのではありません。困ったときに「とりあえずあそこに聞いてみよう」と思い出してもらえる相手が、地域にひとつあるかないかで、暮らしの心細さはずいぶん変わるはずだと考えているのです。

その入り口として、暮らしサポートメニューという形も用意しています。建物のことに限らず、暮らしまわりで手が必要になる場面をできるだけ拾い上げて、わたしたちが引き受けるか、信頼できる方をご紹介するか、どちらかで応えられるようにする。工務店の仕事の範囲からははみ出しているように見えるかもしれません。それでも、引き渡しの日に関係が終わるような家づくりを、わたしたちはしてきていないつもりです。

家は建てて終わりではなく、そこから数十年が始まります。その数十年に何度も顔を出せる会社でいたい。地域に根を張って仕事をしてきた意味は、たぶんそこにあります。

小さなことで構いません。むしろ小さなことのほうが、遠慮せずに声をかけていただけたら嬉しいです。

それでは、また。

No.7237

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防災の日に、建てる会社が地域にいる意味を考える

朝、事務所に向かう途中で風の匂いが変わったなと感じました。日中はまだ夏の顔をしていますが、明け方の空気にはもう秋の芯があります。現場ではまだ塩飴と水筒が手放せない、そんな端境の季節です。

菊池です。

9月1日は防災の日です。大正12年の関東大震災に由来する日で、ちょうど台風が多くなる210日の頃とも重なります。この日が来ると、わたしたちはいつも同じことを考えます。建設会社が地域にいるということは、いったい何の役に立つのだろうか、と。

新しい家を建てること、直すこと。それはもちろん仕事の中心です。けれど本当に価値が出るのは、何も起きていない平時ではなく、何かが起きたあとなのかもしれません。強い雨が降った翌朝、風の強かった夜の次の日。そういうときに「ちょっと見てもらえますか」と電話がかかってくる距離にいること。図面が残っていて、どこにどんな材料を使ったかがわかること。あの家はどんな地盤の上に建っているかを、担当した人間が覚えていること。それが、地元で長くやってきた会社にできることだと思っています。

1960年の創業から、相陽建設は相模原・町田・八王子の周辺でずっと仕事をしてきました。遠くまで手を伸ばすより、歩いて行ける範囲を確実に守るほうを選んできた会社です。効率だけを考えれば別のやり方もあったのでしょうが、この選び方は間違っていなかったと、こういう日には素直に思えます。

そして、家の側だけが備えても片手落ちです。耐震性も断熱性能も、住まい手の暮らしと組み合わさってはじめて意味を持ちます。背の高い家具は固定されているか。寝室の枕元に、割れると危ないものを置いていないか。水と食べ物は何日分あるか。家族が別々の場所にいるとき、どこで落ち合うと決めてあるか。どれも十分ほどあれば確認できることばかりですが、その十分をなかなか取れないのが日常というものです。

今日という日は、そのための口実にちょうどいいと思います。防災の日だから、と言って家族に話を切り出せる。年に一度くらい、そういう日があってもいいのではないでしょうか。

わたしたちも今日、社内で改めて連絡体制を確認します。派手なことではありませんが、続けることに意味がある種類の作業です。

それでは、また。

No.7231

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明日は、9月1日です

8月最後の日になりました。明日は9月1日、防災の日です。

関東大震災が起きた日にちなんで定められた日ですが、この時期は台風の季節とも重なります。毎年この日が近づくと、社内でも自然と話題が出ます。もし今、大きな地震が来たら、わたしたちは何をする会社なのか、と。

菊池です。

住宅会社としてのわたしたちの答えは、まず建てるものを丈夫にしておく、ということです。それは当たり前として、もうひとつあります。地域の建設会社には、非常時に手が動かせるという役割があります。重機があり、それを扱える人がいて、道路や建物の構造が分かっている。そして何より、この土地のどこに何があるかを知っている。昭和35年からこの地域で仕事をしてきたというのは、そういう蓄積のことでもあります。

外から応援に来てくださる方々は、地図がなければ動けません。けれど地元の会社は、あの角の擁壁が古いこと、あの通りは雨のあとに水が溜まりやすいことを、日々の仕事の中で知っています。非常時に効くのは、実はそういう地味な情報です。

だからわたしは、日常の仕事そのものが備えだと思っています。一軒一軒の点検記録を残す。街を車で回って気になったことを覚えておく。お客様のお宅の家族構成を把握しておく。ふだんは何の役にも立たないように見えることが、いざというときに一日の差になります。

お引き渡ししたお客様とのつながりを続けているのも、根っこは同じです。連絡がつく相手が地域に何百軒とあるということは、いざというときに安否を確認できる先が何百軒あるということでもあります。ふだんは「電球が切れた」という話でしかないやり取りが、非常時にはまったく別の意味を持ちます。

そしてご家庭でも、明日は少しだけ手を動かしていただけたらと思います。家具が倒れないよう固定してあるか。懐中電灯がどこにあるか、家族全員が言えるか。ブレーカーの位置を分かっているか。難しいことでなくていいんです。30分あれば終わります。

9月は、家のことを考えるのにいい月です。暑さが引いて、体が動くようになりますから。

明日から9月。今月も読んでくださって、ありがとうございました。

それでは、また。

No.7230

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引き渡しの日は、始まりの日

夏休みも残りわずかという時期になりました。今週は、宿題の話をしているご家族の会話をあちこちで耳にしそうです。

菊池です。

先月、あるお客様のお宅の引き渡しに立ち会いました。鍵をお渡しして、設備の説明をして、書類にご記入いただく。玄関先で写真を撮って、お見送りする。何度経験しても、この日は独特の空気があります。うれしいのですが、少しさびしくもある。

ただ、わたしたちはこの日を「終わり」と呼ばないようにしています。理由は単純で、建物にとってはここからのほうが圧倒的に長いからです。工事期間は半年ほど。その後、その家は五十年、六十年と使われていきます。手をかけた期間の何十倍もの時間が、引き渡しのあとに残っている。

それなのに、家を建てたあと、どこに相談したらいいかわからないという方は本当に多いです。建てた会社と連絡が取れなくなった、という話も珍しくありません。網戸が破れた、棚を付けたい、水の出が悪い。工事と呼ぶには小さすぎて、かといって放っておくと気になり続ける。そういう困りごとの行き場が、意外とないんです。

わたしたちが「応援団」という仕組みをつくったのは、そこに理由があります。お客様を囲い込みたいからではありません。建てたあとに相談できる相手がいる状態を、こちらから用意しておきたかった。名前を応援団としたのは、支えていただく側でもあるという意識からです。おかげさまで、建てた家のことを一緒に考えてくださる方が、少しずつ増えています。

そして正直に言えば、これは会社にとっても必要なことです。建てて終わりにしてしまうと、自分たちの仕事が十年後にどうなっているかを知る機会がなくなります。あのとき選んだ材料が、どう変わったのか。あの納まりが正解だったのか。それを教えてくださるのは、住んでいる方だけです。

引き渡しの日にお渡ししているのは、鍵と、これから何十年かのお付き合いの約束です。少なくとも、そのつもりでお渡ししています。

それでは、また。

No.7223

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