
家づくりの打ち合わせでは、間取りや性能、設備など「家そのもの」の話が中心になりがちです。
けれど実際に住み始めてから効いてくるのは、案外「家族のルール」だったりします。
ルールといっても堅いものではなく、暮らしの運用方針のようなものです。
たとえば、散らかりやすい家と、散らかりにくい家の差は、「収納量」だけで決まらないことが多いです。
玄関に入ってすぐの場所に、バッグや上着の“仮置き”を許すのか、リビングに持ち込まない運用にするのか。
ゴミ出しを誰が担当するのか。洗濯物を畳むのはどこで、誰が、どのタイミングでやるのか。
こうした小さな決めごとが、間取りの良し悪しを超えて暮らしの快適さを左右します。
家族の生活スタイルに合わないルールを無理に作ると続きません。
だからこそ、家づくりの前段階で「うちはこういう家族でいたい」という方向性を共有しておくことが大切です。
忙しい平日は家事を最短距離で終わらせたいのか、休日は少し手間をかけて暮らしを楽しみたいのか。
片付けは“毎日ちょっとずつ派”なのか、“週末まとめて派”なのか。答えは家庭ごとに違って当然です。
法人の建物でも同じで、建物の使い方は「運用ルール」で変わります。
共用部の清掃頻度、備品の定位置、荷物の一時置き場のルールなど、建物の性能よりも“守られる仕組み”のほうが効く場面が多いです。
建物を良くする前に、運用のクセを見直すだけで改善することもあります。
家づくりや建物づくりは、結局「暮らし方・働き方づくり」でもあります。
図面に向かう前に、家族やチームで“運用の前提”を少し話してみる。
そうすると、必要な間取りや設備が自然と絞り込まれてくるはずです。
それでは、また。
No.7008
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