壊す前に、“残したいもの”を言葉にしてみる

リノベーションの相談を受けていると、最初はどうしても「古いから変えたい」「使いにくいから直したい」という話から入る事が多いです。

もちろん、それは自然な流れですし、困っているからこそ相談になる訳です。

菊池です。

ただ、そこで一つ大事にしたいのが、“直したい所”と同じくらい“残したいもの”も言葉にしておく事です。

これ、意外と後から効きます。

例えば、古い梁の表情。

長年使ってきた床の雰囲気。

窓から見える景色。

光の入り方。

家族の中で当たり前になっている動線。

こういうものは、古い家の不便さの中に埋もれてしまいがちですが、実はその家の魅力でもあるんですよね。

リノベーションは、新築のように“ゼロから全部つくる”訳ではありません。

今あるものをどう活かして、どこに新しい価値を足すか。

このバランスが面白さでもあり、難しさでもあります。

だからこそ、「ここは不便だから変えたい」だけで進めると、その家らしさまで消してしまう事がある。

春は、暮らしを見直したくなる季節です。

進学、就職、異動、家族の変化。

そんな節目だからこそ、家の事も“古いから壊す”ではなく、“これからの暮らしに何を残したいか”という視点で考えてみると、選択肢が少し広がるかもしれません。

リノベーションって、単なる更新ではなく、ある意味で“再編集”なんですよね。

今の家にある良さを拾い直して、これからの暮らしに合わせて組み直す。

そう考えると、古い家にもまだまだ可能性はあるのかなと感じます。

壊す前に、残したいものを一度言葉にしてみる。

その一手間で、リノベーションの質は結構変わる気がします。

それでは、また。

No.7070

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