「図面に描けない価値」—“会話が生まれる場所”をどう作るか

家づくりの打ち合わせは、図面と数字の世界になりがちです。

でも、暮らしの満足度を決めるのは、図面に描きにくい“空気”や“会話”だったりします。

たとえば、家族の会話が増える家には、共通して「立ち止まれる場所」があります。

キッチンの横にちょっとしたカウンターがある。リビングの隅に腰掛けられる場所がある。玄関近くにベンチがある。

こういう場所があると、家族が自然に立ち止まり、「今日どうだった?」が起きやすくなります。

逆に、動線が完璧に短すぎる家は、良くも悪くも“通過するだけ”になりやすい。

便利さと引き換えに、偶然の会話が減ってしまうこともあります。

もちろん家庭によって理想の距離感は違いますが、「会話が生まれる余地」を少し残す発想は、子育て期には特に効いてきます。

法人の建物でも似ています。

オフィスで雑談がゼロになると、情報が流れず、困りごとが表に出にくくなります。

だからといって、無理にコミュニケーションを増やそうとしても続きません。

自然に会話が生まれるのは、コピー機の前、給湯室、ちょっとした立ち話スペースなど、“通る場所に余白がある”ときです。

会話は、目的ではなく結果として生まれます。

その結果を生みやすくするために、図面には描きにくい「立ち止まれる余白」を少しだけ仕込む。

そんな視点を持つと、間取りの考え方が少し変わってくるかもしれません。

それでは、また。

No.7031

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