もし明日大きな地震が来たら?社屋・工場の“BCP視点”で見直したいポイント

社屋や工場、倉庫などを自社で所有している企業の方とお話ししていると、
「普段は何とか回っているけれど、災害が起きたとき何が起こるかは正直イメージできていない」
という声をよく耳にします。

建物の安全性はもちろん大切ですが、同時に考えたいのが「事業を止めないための準備」、いわゆるBCP(事業継続計画)の視点です。

まず見直したいのは、「人の安全をどう守るか」。

・背の高い棚やロッカーは、しっかり壁や床に固定されているか
・通路や避難経路に、倒れそうな家具や商品、資材が置かれていないか
・ガラス面の多い会議室やエントランスに、飛散防止フィルム等の対策がされているか

こうした“身近なリスク”は、今日・明日にでも確認できます。

次に、「止まると困る設備はどこか」を洗い出します。

生産ラインの機械、サーバーやネットワーク機器、冷蔵・冷凍設備など、止まると事業に直結するポイントをリスト化し、

・停電時にどこまで稼働させる必要があるのか
・代替手段(別棟・別拠点・協力会社など)があるのか

を整理しておくと、いざというときの判断がしやすくなります。

さらに、「建物・敷地そのもののリスク」も見逃せません。

・近くに河川があり、浸水の可能性はないか
・敷地内のどこに人を一時的に避難させられるか
・重量物を置いている床の耐荷重は把握できているか

といった点は、所有者として一度は確認しておきたいポイントです。

すべてを一度に完璧にする必要はありません。

大切なのは、

① 今の建物にどんなリスクがあるのかを“見える化”する
② 影響の大きいところから、順番に対策していく

この2ステップを、少しずつでも進めていくことだと思います。

「どこから手をつけていいか分からない」という段階であれば、社内だけで悩むのではなく、建物の点検や改修に詳しい専門家に相談してみるのも一つの方法です。

明日急に何かが起きても、“考えていた分だけ動ける”ようにしておくこと。

それが、社屋や工場を守り、そこで働く人を守るうえで、何より大切だと感じています。

それでは、また。

No.6985

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