
家づくりの相談をしていると、「できるだけ全部、最初から最高にしたい」という気持ちになるのは自然だと感じます。せっかくなら、設備も内装も収納も、後悔のないように…と。
ただ、予算や時間の現実を前にすると、どうしても取捨選択が必要になります。そのとき役に立つのが、「暮らしのピークをどこに置くか」という考え方です。
たとえば、今は子育て真っ最中で、家の中が一番バタバタしている時期かもしれません。
そういう時期に「家事が回る」「散らかっても戻せる」ことを優先するのは合理的です。
一方で、子どもが独立した後に家をどう使いたいかも、人によっては大切です。
この“ピーク設定”があると、「今はここを厚く、将来はここを変えられるように」という選択がしやすくなります。
例えば、子どもが小さい時期は、リビング近くの収納と動線を強くする。
逆に、将来の趣味部屋や書斎は、最初は多目的スペースとして確保しておき、必要になった段階で仕切る。
こうした段階設計は、完璧主義で疲れやすい家づくりを、少し現実的にしてくれます。
法人の建物でも同じです。
事業が拡大するピークを見込んで、最初から大きく造りすぎると、空きスペースが固定費になります。
逆に、ギリギリで造ると、増員や設備更新のたびに詰まります。
「いつ、どこが一番混むか」「どこが一番止められないか」というピークを仮置きすることで、優先順位がはっきりします。
家も建物も、時間とともに使い方が変わります。
“今の理想”だけでなく、“ピークの理想”を決めておくと、選ぶべきものが少し見えやすくなる。
そんな発想を、家づくり・建物づくりの整理に使ってみていただければと思います。
それでは、また。
No.7015
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