
今日は、こちらの書籍を(^^♪
これまで甲子園という舞台は、数々のスター選手を世に送り出してきた。
僕らが思い描く「怪物」たちは、圧倒的な打撃力や剛速球といったイメージで語られることが多いのですが、本書『データで読む甲子園の怪物たち』では、その輝きを「データ」という視点から紐解いていいる。
これが本書の最大の特徴であり、従来の「記憶」や「印象」に依存した評価から一歩踏み込んだ新しいアプローチだなと。
著者は、これまで膨大な高校野球のデータを収集・分析してきた野球著作家。
その筆致は冷静かつ客観的でありながら、選手たちの物語を損なうことなく、むしろデータによって彼らの「凄み」をより鮮明に浮かび上がらせている。
例えば、ある大会での打率や出塁率、投球数や球速の変化を具体的に示しながら、「怪物」と称された理由が数字として裏付けられる瞬間には大きな説得力がある。
特に印象に残ったのは、「結果」と「期待値」の差を見せてくれる点。
観客の記憶に残る劇的なホームランの裏には、冷静に積み上げられた打席ごとのデータが存在し、またエース投手の奮闘の影には、球数や被打率といった数字の積み重ねがある。
そうした「見えない努力」をデータが映し出してくれている。
この視点は、華やかな甲子園のイメージを一層深めると同時に、選手一人ひとりが背負ってきた現実をも感じさせる。
本書を通じて改めて実感したのは、野球が「数字」と「物語」の両方で成り立っているということ。
データは冷徹に見えて、実は選手の努力や成長を最も正直に物語るものである。
逆に、観客やファンが抱く感情的な記憶があるからこそ、データに裏打ちされた分析に共鳴できる。
甲子園という特別な舞台を理解するうえで、この二つは切っても切り離せない関係なのだと強く感じたなと。
高校野球を愛する方はもちろん、スポーツを「データ」という視点から読み解きたい方にとっても、非常にオモシロい一冊です。
甲子園を彩った怪物たちを改めて振り返りながら、数字の裏にある真実に思いを馳せる時間は、野球というスポーツの奥深さを再確認させてくれるはずですから。
それでは、また。
No.6901
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