
7月の課題図書。
を読んで、まず強く感じたのは「数学は理系のための特殊な言語ではない」ということ。
これまで自身にとって数学は、問題を解くための道具であり、公式を覚え、計算を正確に行うことそのものが目的でした。
しかし、この本を読んで、その認識は変わった部分もあり。
著者は、数学を「世界を記述するための、最も美しく、最も精度の高い言葉」だと語ります。
僕たちが日本語や英語を使って感情や出来事を表現するように、物理学者は数学を使って宇宙の根本原理を表現しているのだと。
アインシュタインが重力を時空の歪みとして表現した話や、量子力学が生まれた背景にある数学の役割を知るにつれて、数学は単なる計算ではなく、宇宙の謎に迫るための「詩」や「物語」のように思えてたり。
特に印象的だったのは、物理学者たちが直感や想像力だけではたどり着けない真理の扉を、数学という論理の力で開いてきたという話。
未知の国の地図を、正確な測量と論理的な推論だけで描き出していくような。
この本は、専門的な数式を理解していなくても、数学が持つ美しさや、それが世界をどう説明しているのかを感覚的に伝えている。
読み終えた後、私たちの住むこの世界が、実は緻密で美しい数学の言葉で書かれているのかもしれないと、日常の見え方が少しだけ変わった気がします。
これまで苦手意識のあった数学が、少しだけ身近で、そして魅力的な存在に感じられる一冊かもしれない。
それでは、また。
No.6835
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