結局、どうしたら伝わるのか?

6月度の課題図書。

「結局、どうしたら伝わるのか? 脳科学が導き出した本当に伝わるコツ」著者:西剛志

私たち建設業に携わる人間にとって、「伝える」ことの難しさは常に付きまとっています。

図面や工程表、安全指示など、正確に伝わらなければ、事故や手戻り、最悪の場合、重大なトラブルに発展する可能性もゼロではありません。

まさに「伝わらなければ意味がない」の世界で各担当者は日々奮闘しています。

本書は、この「伝わらない」という現象を、脳科学の視点からアプローチしてくtれているかなと。

正直、「脳科学って、私たちの仕事にどう関係あるの?」と半信半疑の方は多いかと。

しかし、読み進めるうちに、まさに目から鱗のポイントも多かったかなと思います。

特に印象的だったのは、「言語化には限界がある」という指摘。

私たちはこれまで、いかに正確に、具体的に言葉で表現するかに注力してきました。

しかし、本書は、言葉だけでは伝わりきらない「認知のズレ」が生じるメカニズムを、脳のバイアスという観点を教示しています。

現場で「言ったはずなのに、伝わってない」という経験は数えきれないほどあります。

担当者に指示を出したつもりが、全く違う解釈で進んでいたり、そもそもの話が食い違っていたり。

これらの原因が、私たち自身の「当たり前」が相手にとってはそうではない、という「認知のズレ」にあったと感じています。

では、どうすればこの「認知のズレ」を埋め、本当に伝わるコミュニケーションができるのか?

本書では、具体的な方法がいくつも紹介されていますが、一つは「相手の視点を理解する」ことの重要性。

相手が何を考え、何に注目しているのか、どんな情報に反応しやすいのかを意識する。

そして、相手の脳タイプに合わせて伝え方を工夫するというアプローチは、まさに私たち建設現場にこそ必要な視点かなと。

例えば、ベテランの社員と若手社員では、物の見方や理解の仕方が異なるのは当然です。

本書に書かれているように、視覚優位、聴覚優位、体感覚優位といった脳のタイプを意識し、それぞれの特性に合わせた伝え方を試すことで、これまで以上にスムーズな意思疎通が図れるのではないかと期待しています。

また、本書では謝罪の仕方や信頼関係の築き方など、日々の業務における具体的な場面での「伝わるコツ」も満載。

単なるテクニック論ではなく、脳科学に基づいた裏付けがあるため、非常に説得力があったかなと。

この本を読み終えて、私たちの建設現場でのコミュニケーションや指示の出し方一つ、協力会社への説明一つとっても、相手の「脳」を意識することで、これまで「伝わらなかった」ことが「伝わる」に変わるはずかなと。

「言った」「言わない」の水掛け論や、誤解から生まれるトラブルを減らし、より安全で効率的な現場を築くために、この『結局、どうやったら伝わるのか?』は、私たち建設業にとって必読の一冊かなと。

それでは、また。

No.6801

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