新しく生まれ変わった日本モダニズム

昨年のことですが、建築好きでもありホテル好きでもある友人のお誘いで、オークラトーキョープレステージタワーのクラブフロアに宿泊してきました。

⚫︎ホテルオークラ/1962年竣工 

設計:谷口吉郎(旧本館ロビー)

当時の日本の最高の建築・工芸を集約させたデザインは海外からも「日本モダニズムの傑作」と高い評価を集めました。その旧本館ロビーは、2015年に改修工事が始まり2019年秋にThe Okura Tokyoプレステージタワーロビーとして生まれ変わりました。

設計を手がけたのはかつてのロビーを設計した谷口吉郎の息子である谷口吉生氏です。

以前との違いは、ロビー全体を東向きから南向きへと変え、それにより1日中 陽が入るようになったこと。訪れる時間によって、障子や組子から漏れる柔らかい自然光が表情を変えてくれるので、何度も足を運び空間を味わいました。

古墳時代の水晶の装飾玉「切子玉形」から発想されたという天井から吊り下げられた「オークラ・ランターン」(新たにLEDを採用)を始め、梅の花に見立てた「梅の花のテーブルと椅子」も再配置され、移設が難しかったという「麻の葉紋の木組格子」は以前の製作工程を忠実になぞり復元されました。

歴史的なこのホテルを、モダニズム建築の傑作ともいわれたこのロビーを改修するにあたって、反発をはじめとするいろんな声がありましたが、ホテルに展示されていた完成するまでの道のりを示したパネルを見て泣きそうになりました。一切携わってないけど(笑)

新たに生まれ変わったロビーは、まさに親子二代によって引き継がれた意匠の継承と言えるすばらしい空間でした。

建築好き女子が泊まったら、間違いなく何度も何度も何度も足を運び、何枚も何枚も何枚も写真を撮ってしまうステキ空間でした。

 

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