「二世帯住宅で暮らす」だけで、親が子育てを手伝ってくれる?

「核家族化が進んでいる」と言われ続けて久しい日本社会ですが、近年は家族のつながりを大切にする傾向も強まっているようです。そのいい例が「祖父母による育児の協力」。特に、二世帯住宅を検討している現役世代の多くが「親に子育てを協力してほしい」と考えています。

しかし、親世帯がどのくらい育児に協力してくれるのかは、実際に同居を始めてみなければわかりません。積極的に子育てに参加してもらうよう、親世帯に促すにはどうしたらいいのでしょうか。

 

二世帯同居そのものが「子育てへの協力意識」を生み出すこともある

根本的な問題として、親がどれくらい育児に協力するつもりがあるのか、という疑問があります。「孫は可愛いけど世話は面倒」 「まだまだ元気。自分のことをやりたいから子どもは保育所に任せて」と言ってくる親も少なくないため、「本当に二世帯にしても大丈夫かな」と不安に感じてしまう人もいるでしょう。

実は『くらしノベーション研究所』の調査によって、「親子が近くに住んでいる家庭」よりも二世帯住宅のほうが、「親が育児に協力する頻度」が多いことがわかりました。

親が「近隣同居」の場合、「日常的に孫を世話しているか」という問いに対して、娘夫婦だと34%、息子夫婦だとわずか9%しか「孫の世話をしている」という回答はありません。ところが、「分離同居」だと娘夫婦で53%、息子夫婦でも39%にまで「日常的に世話をしている」の割合がはねあがるのです。「融合同居」の場合、なんと娘・息子夫婦ともに72%もの家庭で親世帯が孫の世話を「日常的に行なっている」と回答しています。

このことから、同居することそのものが「子育てに対する一体感」を生み出すことがわかります。親子の距離が近づけば、その分「協力しよう」という意識が芽生えるのです。

 

孫と祖父母が触れ合うことによるメリットも

ほかにも、二世帯で暮らすことは親世帯、孫の双方に思わぬメリットをもたらします。親世帯は可愛い孫と毎日触れ合うことができるので、感情表現が豊かになり、よく話す明るい性格へと知らず知らずのうちに変わっていくのです。

また、孫は祖父母と日常的に接することで、高齢者とのつきあいかたを自然に学んでいきます。世代の近い親との触れ合いだけでは学ぶことのできない経験を、日常生活を通して学習することができるでしょう。

 

子育てを協力することで、夫婦のプライバシーも守られる

親と子育てを同居する際に心配なのが、「親が子世帯の専有スペースに勝手に出入りして、プライバシーが侵害されてしまうのでは?」という点です。「子育てには協力して欲しいけど、夫婦の寝室には勝手に入ってほしくない」という方も多いでしょう。

実はこの問題点も、子育てを親子で協力して行うことで、自然と解消していく場合があります。親世帯に「子世帯の空間を訪れるのは、孫の世話をするためだ」という意識が生まれるため、自然と「夫婦の寝室」のように「子育てとは関係ない場所」にはいかないようになるのです。

「夫婦のプライバシーは確保したうえで、子育てに協力する意識も自然と生まれていく」

二世帯住宅は、子育てを行うためにはまさにうってつけの住まいの形だといえるでしょう。「二世帯=人間関係が難しい」というイメージを持っていた方は、これを機に二世帯住宅という暮らし方をもう一度前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

 

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