二世帯住宅を建てる前に、「将来の親の介護」について考えよう

二世帯住宅を建てる際は、「子世帯から提案する」「親世帯から提案される」という2つのパターンが考えられます。特に気をつけなければならないのが、「親世帯から提案される」パターン。「頭金を出してあげるから」などといわれたら思わず飛びつきたくなってしまうところですが、親は親で子世帯とは別の考えがあるのかもしれません。

「一緒に住んだら、老後も介護してくれるだろう」 「介護が必要になっても施設には入りたくない」

言葉には出さなくとも、将来の介護を見据えて提案している可能性も十分にあります。しかし、子世帯は子世帯で、「二世帯には住みたいけど介護は嫌」 「大変そうだし、できたら老後は介護施設に入ってもらいたい」と考えている方も少なくないでしょう。
こうした、「将来の介護を期待した二世帯の提案」に対しては、どのように対処したらいいのでしょうか。

 

建設計画の時点で老後のことも相談しておく

現在、親世帯の子どもがすべて独立している家庭だと、「将来親の介護をどうするのか」がはっきり決まっていないケースも少なくありません。「いざとなったときに考えればいい」「どうせ長男が面倒を見てくれるんだろう」などと考えていて、なにも行動していないことが多いのです。

しかし、二世帯住宅を建てて親と同居したとすると、間違いなく周囲からは「跡取り」とみなされます。当然、親を介護するのも「跡取りの義務」とみなされるため、後になって「嫌だ」ということは難しくなるでしょう。

そうならないよう、あらかじめ将来親の介護をどうするのか、住宅建設を計画している時点で決めておいたほうがいいでしょう。夫(妻)の兄弟姉妹と、その配偶者たちとも話し合いが必要です。

 

「介護したくない」と思うような親と二世帯は最初から諦めよう

介護というのは、たとえ身内であっても決して簡単なことではありません。むしろ、身内だからこそ難しい、という側面も持っています。ましてや、実の親ではない義理の親の介護は、最も大変と言っても過言ではないでしょう。

「夫(妻)が好きで結婚したけど、相手の親はどうしても好きになれない」という方も多いことと思います。その義両親の介護を将来自分がしなければならなくなった事態を想像してみてください。もし「耐えられない」と思えるようなら、最初から二世帯は諦めたほうがいいでしょう。二世帯住宅とは、単に暮らしだけでなく、その後の家族の人生にまで大きな影響を与えてしまう買い物なのです。

 

二世帯を住宅ができてから解消するのは非常に困難

「介護するかどうかは、二世帯住宅を建てる事前に決めておくべし」とお伝えしているのには、ほかにも理由があります。それは「二世帯住宅は、建設してから解消するのが非常に難しい」ということです。

なぜなら、多くの場合住宅建設にはローンが必要です。二世帯を解消する、ということは子世帯が別の住居に引越すということですが、たとえ引っ越しても、ローンの支払いがなくなるわけではありません。新しい住まいの家賃と住宅ローンの支払い、両方の負担に長い間耐え続けなくてはならなくなるのです。

さらに、二世帯を解消するのにともなって、再び「親の介護をどうするか」という問題が浮上してきます。親を介護するつもりで二世帯に住んでいたわけですから、将来は新たに介護施設を探すなど、別の方法を考えなくてはいけません。子世帯の兄弟姉妹が助けてくれる可能性もそう高くはないでしょう。

二世帯住宅と将来の親の介護の問題は、切っても切れない関係にあります。住まいにまつわることばかりに気を取られず、将来の自分たちの計画をよく考えておきましょう。

 

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