本当にそこでいいの?新築後、隣人トラブルを招く意外な盲点

新たな土地で住宅を建てた後、気になるのはやはり隣人との人間関係。これまでとは違うご近所さんとの付き合いは、建てた住宅とともに今後長きに渡って続いて行きます。ですから、下手にこじらせると楽しみにしていた新生活に悪影響が出かねません。

なかでも最もトラブルになりやすいのが「騒音」。住宅を建て終えた後では、すでに遅い場合もあります。トラブルを招かないよう、どんなことに気をつけたら良いでしょうか。

 

気をつけたい隣家との距離

まず、設計段階で音を立てそうなものは、なるべく隣家から離すことが大切です。例えば駐車場。車の出入りの騒音は、就寝中など特に耳障りなものです。隣家が自分と同じ時間帯で生活しているとも限りませんので、遅く帰るときなど特に気を遣う羽目になってしまいます。

さらに、騒音の元となるにも関わらず、意外と見落としやすいものもあります。それはエアコンの室外器や給湯器です。エアコンは夜間でも使用するので、隣家の寝室に面していたりすると苦情の原因にもなりかねません。また室外器は3年以上経つと購入当初よりも音が大きくなると言われていますので、設計段階で位置を検討しておき、隣家から離しておくのが賢明です。

 

深刻化する騒音問題

また、最近トラブルの原因として新たに注目を集めている、「低周波騒音」というものもあります。これは、電気給湯器などの設備から発せられる音で、人間の耳で聞き取れる周波数の中でも、特に低い20db(デシベル)前後の周波数帯の音を指します。

夜間、電気給湯器が湯沸かしを始めると低周波騒音が発生し、周囲の人々が眠りを妨げられることもあるので、注意が必要です。

低周波騒音の影響には個人差があると考えられていますが、ひどい場合には不眠から来る明らかな体調不良や「庭に出たくなくなる」など深刻な精神的被害が生じることもあります。なかには、裁判にまで発展してしまった事例もあるので、決して軽く考えないようにしましょう。

設備の位置は、住宅が完成した後で変更しようと思ってもかなりの費用がかかってしまいます。隣人とのトラブルを避けるためには、設計段階から位置関係には充分注意が必要です。

 

それでも無理な場合、どうすればいい?

「土地のスペースに余裕がなく、どうしても隣家に近い場所にエアコンの室外機や電気系給湯器を置かざるをえない場合、対策はあるのでしょうか。

たとえば、エアコンの室外機であれば、その振動を抑えることである程度騒音を低減できます。両端にレンガを敷き、その上に室外機を置くことで、振動の原因となる地面に直接触れる部分を少なくすることも可能です。また、振動を減らす防振ゴムも比較的安価に手に入るので利用してみると良いでしょう。

しかし、低周波騒音の場合、これらのものは効果がないので、別の対策が必要となります。 下手に周囲を囲うと、音が反響して増幅され、より大きな音になってしまうことがあるのです。低周波騒音を防ぎたい場合は、低周波騒音に対応した特殊な吸音壁が販売されているので、それを使いましょう。

騒音を防ぐ対策はたくさんあります。しかし、トラブルを防ぐ一番の対策は、「他人を思いやる気持ち」を持つことです。思いやりの気持ちを持っていれば、「隣の家のそばにうるさい機械を置こう」とは思わないはず。相手を思う気持ちが余計なトラブルを遠ざけるのです。

 

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