犬や猫も過ごしやすい家を目指して、「ペットと暮らす家」に必要な工夫とは?

犬や猫は飼い主にとって大切な家族の一員です。家を建てる際に家族の気持ちを大切にするのなら、当然彼らに対しても気を配らなくてはなりません。物言わぬペットに代わって、飼い主自身がペットも過ごしやすい住宅のあり方を考えなくてはならないのです。

 

ペットが落ち着いて過ごせる、占有スペースを確保しよう

住居が変わり、生活環境が変わることは人間にとって大きなストレスになることがありますが、それはペットにとっても同じです。何しろ、彼らにとって家は「全世界」のほとんどと言っても過言ではありません。

「広々としたリビング」や「見晴らしのいいバルコニー」などを造っても人間と同じように喜んでくれるとは限らないでしょう。むしろ、今までの居心地のいい場所を奪われて落ち着かなくなってしまうことも考えられます。ペットと同居する住宅には、「ペットのためのスペース」が必要なのです。

 

ペットが過ごす、「床上50cm」の快適さを確保する

住宅を建てる上でペットに気を配らなくてはならない部分は他にもあります。二世帯住宅では、世帯ごとのプライバシー、生活空間をうまく分けることが大切だとされています。それと同じように「ペット」と「人間」の空間もうまく切り分けなくてはいけません。

具体的には、ペットに入ってほしくない箇所にはペットフェンスを設置する、ペットが出入りしにくい部屋には別にペットゲートを取り付ける、といった方法が有効です。人間にとっては暮らしやすい環境でも、ペットにとっては暮らしにくい環境である場合もあります。

ペットは人間よりも目線が低く、床に近い空間で過ごすことがほとんどです。床近くの空気が汚れがちになると健康に悪影響を及ぼす可能性があるので、うまく換気できる仕組みを整えておきましょう。

寒さに強い犬の場合、床暖房があると床近くが暑くなりすぎて過ごしにくいことも考えられます。冷暖房を設置するときは、床上50cm程度の空間が温度23度、湿度50%前後を保てるようにしておけば、ペットも快適に過ごすことができます。

 

住宅展示場で実物のサイズ、質感を確認

原則的なことを抑えておくのは結構ですが、忘れてはいけないのは実物を見て確認するということです。住宅の実物を見るなら住宅展示場に行くのが簡単な方法ですが、ペットを連れて行く際は注意が必要です。「ペット不可」としている住宅展示場も少なくないため、事前に電話してペットを連れて行ってもOKかどうか確認しておくといいでしょう。

展示場についたら、実物を見たほうがわかりやすい、サイズ感、質感などをチェックしましょう。サイズ感を確認したほうがいい例としては、階段の高さがあります。1段ずつの高さが違いすぎると、ペットの昇り降りが難しくなるため、実際に昇り降りさせてみるといいでしょう。ペットを連れていけないなら、あらかじめどのくらいの高さまで昇り降りできるか測っておき、比較するという方法もあります。

特に質感を確かめておくべきところは床材です。床や柱はペットの爪で傷ついたり、汚れたりしてしまいやすいため、傷つきにくい材質や汚れが目立ちにくい色などをチェックしておきましょう。これらに加えて、ゲートやフェンスをどこに設置すればいいか、目星をつけておけば完璧です。

このようにペットが過ごしやすい環境を作るには、事前確認が欠かせません。新居での幸せな生活をおくるためにも是非準備しておきましょう。

 

 

これから何十年も住むことになる家の「住環境」によって「家族の健康」も大きく影響を受けることは想像に難くありません。

しかしながら、これまで健康と住宅を関連付けた「実証調査」はありませんでした。

このたび、慶応義塾大学並びに首都大学東京の調査と、我々で行った独自の調査(調査期間:2014年から2015年)で実証された住宅を体感・観覧できます。一度ぜひお越しください。

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