今から15年ほど前、カナダのプリンスエドワード島を一人旅していた時、公共施設のギャラリーで初めて彼女の絵を目にしました。
それはとても鮮やかで、見ているだけで幸せな気持ちになれる絵でした。
サイズは確か、2m×2mくらいだったと思います。
どんな人が描いたんだろう?しばらくその場から動けず吸い込まれるようにじっと見ていたのを今でも鮮明に覚えています。
モード・ルイス(1903-1970)
手足に障害を持ち、自己流で創作するノバスコシア州出身の画家。
カナダでは有名な画家のようですが、世界的にはあまり多く知られていないとのこと。
絵を見た翌日に、彼女のグッズが売られていたギフトショップの店員さんが教えてくれました。
それ以来、彼女の絵をPCや携帯の壁紙にしたり、LINEの写真に使ったりしていました。
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そんな彼女と彼女の夫の半生を描いた映画「しあわせの絵の具」があることを知り、先日のお休みに行ってきました。
ノバスコシアの大自然が、四季が、とにかく美しかった。そして無骨で不器用ながらモードを想うエベレット(夫)も最高(最初は怖かったけど)。
旅行も行かず、電気も水道もないわずか4メートル四方の小さな家の小さな窓からこの美しい景色を描いていたモードは、少しずつ絵が認められて売れていく中でこんな風に言ってました。
「この手に筆、目の前に窓さえあれば、私は幸せなの。」
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あの絵はそんな風にして生まれたんだなーと15年以上も経った今、ようやく知ることができました。
そして彼女のことがもっと好きになりました。