家族が新築ブルーにならないために

新たに住宅を建てようと決めたとき、誰もが心の中で理想的な図面を思い描き、できるだけ希望に沿った形で新築したいと考えます。あれこれと新生活を想像しながら、注文住宅を考えていくのは楽しいものです。

しかし一方で、最近「新築ブルー」という言葉が聞かれます。これは建築中や住宅購入後に、新築にまつわることが原因で、家族が一種の「うつ状態」になってしまう現象です。家族が「新築ブルー」にならないために、家族への接し方など、どんなことを知っておくべきでしょうか。

 

新築ブルーへの対処法は、「精神的な負担を減らすこと」

家族が新築ブルーにならないようにするためにはまず、なりやすい例と原因を知って心に留めておく必要があります。

引越し前の時点で新築ブルーになりやすい原因としては、新築に関する手続きの煩雑さに疲れてしまったり、不慣れな土地での新生活を必要以上に思いつめてしまうなど、疲労や不安から来る今の生活への執着が挙げられます。

引越しそのものが原因となる場合もあります。几帳面な人ほどその傾向が強いようですが、引越し作業を「やらなくてはいけない」という義務感から新築ブルーに陥ってしまうようです。

家族を過度な義務感から解放するには、「区切り」をつけさせることが大切です。あえて、現在の家で家族写真を撮影することを勧め、今までの生活に「区切り」をつける儀式とするのも一つの方法です。家の中を、カメラやビデオで撮影する、ということは少ないかもしれませんが、後々の思い出作りにもなり、心の整理もつきやすくなります。

引越しの進め方も、精神的な負担が少なくなるように工夫してみましょう。一気にやろうとせず、時間をかけて「ここまでやったら、次は別のことをしよう」というように、ある時点で区切りをつけ、「目標を設定する」ことが新築ブルーを避けるためには効果的です。

 

「隣の芝生」は見せず、目移りさせないように注意

引越し後における新築ブルーの最大の原因は、いわゆる「隣りの芝生」です。例えば新築後に住宅の広告を見て、「自分の家と間取りが同じなのに安い」 「中古だが、自分の家より間取りが広い」など、

他の物件が大変良いもの、つまり「隣りの芝生」がより青く思え、新築した自分の家の粗ばかりが目についてしまうのです。ひどくなると食事も喉を通らなくなり、夫婦間にも亀裂が生じてしまった、という例まであります。

家族がこのような状態に陥らないためには、一旦購入手続きをした後、不動産広告の類は一切見ないなど、あらかじめ家族内で決め事を考えておくことが大切です。他の住宅情報を見て、一見、新築した自分の家より良いものに思えたとしても、それが「自分に合っているか」どうか、実際に住んでみない限り誰にも分かりません。

それまであれこれと間取りを考え、理想的な住宅を作ろうと努力をして来たはずです。その時点での決断に自信を持たせ、購入した新居に目を向けさせることが重要です。

 

「お気に入りの場所」を探す

また、引越し先で「お気に入りの場所」を見つけるように促すことも効果的です。たとえば、気持ちの良い公園や、居心地の良い図書館などの公共施設、おいしいお店探しなどをして、お気に入りの場所が一つでも見つかれば、不慣れな引越し先での新生活も楽しくなってくるはずです。新築ブルーは一種のうつ状態なので、外出をして体を動かすこと自体が効果的なのです。

せっかくお金も時間もかけて作り上げた新築が、家族にとってブルーの原因になってしまっては最悪です。家族が新築ブルーに陥らないように、新築前にあらかじめ知識を持っておくと良いでしょう。

 

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