家造りに際しては、シックハウス症候群の予防にも気を配らなくてはなりません。シックハウス症候群は、「住まい」そのものによってめまい、倦怠感、呼吸器疾患などの症状が引き起こされる病気です。建材の接着剤、塗料に含まれる、ホルムアルデヒドなどの化学物質や、カビ、ホコリによる室内空気の汚染が原因とされています。
今回は、新しい住まいでシックハウス症候群が起こるのを防ぐために、住宅展示場を役立てる方法をご紹介しましょう。
内装に使われる建材がフォースターかどうか確かめよう
シックハウス症候群を防ぐために大切なのは、なんといっても「安全な建材を使うこと」と「室内の換気をすること」の2つです。このうち、換気は実際に新しい住まいができてから行うことなので、まずは「安全な建材を使うこと」について考えてみましょう。
「安全な建材と言われても、専門家じゃないしよくわからない…」と心配する必要はありません。実は、シックハウス症候群とされるホルムアルデヒドを発散する建材は、建築基準法によって発散レベルに応じた等級が定められています。等級が低い(発散レベルが高い)建材は、内装仕上げに使用できる面積が制限されており、内装にはできる限りホルムアルデヒドを拡散しない建材が使われるようになっているのです。
最も発散レベルが低い建材に付けられる等級はF☆☆☆☆(フォースター)で、内装仕上げに使用できる面積に制限はありません。建材ひとつひとつについて勉強しなくても、等級を確認することなら簡単にできます。つまり、安全な建材かどうかを確かめるのには、「その建材がフォースターかどうか」を確かめれば良いということになります。
住宅展示場へ行き、体感で建材の安全を確認
ですが、フォースター建材にも問題はあります。それは「ホルムアルデヒドをまったく発散していないわけではない」ということです。非常に微量とはいえ、ホルムアルデヒドはたしかに放出されています。
また、ホルムアルデヒド以外の有害物質については、確認できていない危険性もあります。化学物質に対する敏感さは個人差があるので、「フォースターをたくさん使っているから大丈夫」とは言い切れないのです。
そこでようやく住宅展示場の出番です。住宅展示場へ行けば、自分自身の化学物質に対する敏感さや、建材の安全性を肌で確かめることができます。「建材の匂いは刺激が強くないか?」、「部屋に入っていると目がちかちかしてこないか?」といったことを自分自身の感覚で確かめることができるのです。また、「どの建材がフォースターで、どこが違うのか?」といったこともチェックしておけば、家づくりの際、安全な建材選びの参考にすることができます。
窓を閉め、密閉された状態でチェック
住宅展示場を訪れたとき注意しなくてはならないのは、「室内の換気が行われているか」という点です。窓が空いているなど換気がなされていれば、シックハウスの原因物質は当然室外に流れていってしまうので、換気されていない状態の安全性を確かめることができません。そうならないよう、あらかじめ展示場の担当者に目的を伝えて窓を閉めても良いか尋ねておきましょう。
他のお客が大勢いる場合、窓を閉めてもらえないかも知れないので、空いていそうな時間に訪問するなど、計画性を持って訪問するようにしましょう。
これから何十年も住むことになる家の「住環境」によって「家族の健康」も大きく影響を受けることは想像に難くありません。
しかしながら、これまで健康と住宅を関連付けた「実証調査」はありませんでした。
このたび、慶応義塾大学並びに首都大学東京の調査と、我々で行った独自の調査(調査期間:2014年から2015年)で実証された住宅を体感・観覧できます。一度ぜひお越しください。