少し前のことですが、友人のお誘いで白樺湖畔に佇むSANUに宿泊してきました。SANUは共同オーナー型のセカンドハウスで、オーナーは全国にあるSANUに宿泊できます。(シェア別荘みたいなものです)今回宿泊したのは、長野県の白樺湖にあるキャビン型のタイプ。
人と自然が共生する社会の実現を目指して作られただけあって、環境に溶け込むような立地と、陽の入り方や風の通りも考えられた造りでした。
建物を建てるには一般的にコンクリートを使った基礎が必要不可欠ですが、こちらは鉄骨(杭)で支てられており、基礎がない造り。配管などを隠す床下もなく、真下(外)に落として構造体から吊られているので、いつでも補修交換できる状態に(外から建物の下を覗いてみたりして確認)。
また建物下を風が通り抜けるため湖の畔という環境でも湿気が上がり辛く劣化対策にもなっている。
デザイン性のある特徴的な屋根は急勾配にすることで雨を受けて貯めることがないため、木製でも腐りにくい。
屋根の真ん中の部分には棟を造らず緩やかな勾配で雨を落とす形。(材質が下からだと今いち見えませんでした笑)
内装(天井・壁・床)は下地と仕上げ材が一緒になっており、業種が減り大工さんだけで作れるため作業工程も短縮できる。使われている材料はサイズを均一化しきれいに並べて使用している感じ。キッチンや洗面台、小上がりのベッドやソファなどは全て造作。などなど。
建築に携わらない人だと、もしかしたらラグジュアリーホテルの設えなんかと比較してSANUをチープな作りと言ってしまうかもしれませんが、ひとつひとつの材料や納まり、限られたスペースを狭く見せないような空間の取り方。コストを抑え、作業工程を減らし、いかにデザイン性高く造るかがほんとによく考えられている。そしていつかは自然に還る、もしくは再生可能な材料を使い環境にもやさしい。
・・・つらつらと書きましたが、ここまで考えられた別荘てあったかなと思うほど、とても考えさせられる建物でした。那須にも別のタイプが出来たのでいつか宿泊してみたいです。