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2019年2月17日

住宅に使われる素材「漆喰」とは?メリットとデメリットを紹介

漆喰という言葉は聞いたことがあるけれど、実際にはよくわからないという方も多いと思います。
多くの住宅や歴史的建造物にも使用されてきた漆喰ですが、どんな特徴があるのでしょうか。
今回は、漆喰の特徴と、漆喰を使用した際のメリット・デメリットを合わせて8つ紹介していきます。
新居の購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

漆喰(しっくい)とは?

漆喰(しっくい)とは、水酸化カルシウムを主原料とした塗り壁素材のことです。
長い年月をかけて海から地表へ隆起したサンゴ礁を原料に、糊やスサを加え水で練って加工したものが漆喰です。

漆喰は、主に壁の上塗りに使用されることが多く、色は白で、人工的ではなく自然に発色したような綺麗な白色が特徴的です。日本の世界遺産で別名“白鷺城”とも呼ばれる「姫路城」をはじめ、お城の真っ白な壁にも使われております。
その鮮やかな白色は多くの住宅でも使用され、近年では若いご家族でも人気が高まっている壁塗り素材となっております。

 

漆喰の歴史について

漆喰は日本の建築素材だと思う方も多いとは思いますが、実は漆喰の歴史はとても古く、今から5000年前のエジプト・ピラミッドの壁に使われたのが起源といわれております。他にも、古代ギリシャやローマ時代の歴史的建築物にも幅広い用途で使用されておりました。

日本では、飛鳥時代に中国から伝わったとされており、その後、お城や神社仏閣をはじめとした高級健在として一般化しました。
さて、古くからの歴史ある漆喰ですが、どんな特徴があるのでしょうか?
次は、漆喰のメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきますね。

 

漆喰を内装に使うメリット

漆喰のメリット①時間が経っても劣化しない

漆喰と同様に壁の素材として使用されるビニールクロスは、比較的安く、かつ簡単に貼れるというメリットがありますが、時間とともに汚れや剥がれなどが発生してしまいます。
しかし、漆喰は時間が経ってもほとんど変化することがなく、劣化しないという特徴があります。漆喰の成分である消石灰が静電気を溜め込まないという性質があり、埃や汚れを付着させにくいため、漆喰の美しい白さを保つことができるのです。

 

漆喰のメリット②気軽にお手入れができる

先程、漆喰は時間が経っても劣化しない、とお伝えしましたが、それはすなわち、“メンテナンスのしやすさ”にもつながります。
また、もし少しの汚れが付いてしまったときも壁を張り替える必要はなく、漆喰を薄く上塗りすること綺麗にすることができます。

 

漆喰のメリット③優れた調湿効果

調湿効果とは、室内の湿度を調整する機能のことです。漆喰には、細かな多孔質の素材であるために、湿度が高いと水分を吸い、低いと水分を放出する働きがあります。

部屋の湿度を快適な状態に保つことで、結露を防止し建物の耐久性を維持したり、ダニやカビなどの発生を抑制することができます。

 

漆喰のメリット④優れた耐火性

漆喰は燃えにくい素材としても有名で、不燃材料として建築基準法にも認定されております。
万が一、家で出火が起きたとしても、火が出火元の部屋から広がりにくいという特性があり、家の防火対策としても有効です。

また、ビニールクロスは、燃えると有毒ガスを発生する可能性がありますが、漆喰は自然素材であるために有毒ガスを発生する可能性は極めて低く、この点も大きなメリットになります。

 

漆喰のメリット⑤抗菌性がある

漆喰は強アルカリ性のため、強い殺菌作用があります。そのため、細菌の育生や増殖を抑え、カビやダニの発生を抑制する働きがあります。

もちろん、しっかりと乾燥させて、硬化した漆喰の壁は人間には害がありませんので、ご安心ください。

 

漆喰のデメリット

漆喰のデメリット①施工期間が長くなる

漆喰塗りの場合は、ビニールクロスのようにただ接着剤などで貼り付けて終わりというわけにはいきません。壁に漆喰を塗り、それを押さえてから乾かさなければなりません。そのため、他の素材よりも施工時間が長くなります。
工期が長くなるということは、その分費用の面でもコストがかかってしまいます。

しかし先程、メンテナンスが楽とお伝えしたように、ビニールクロスのように何度も張り替える必要はないため、長期的な目で見れば、漆喰はコスパに優れた素材ともいえます。
最初にあまり予算を割けないという方は、ある程度の金額を決めた範囲で考慮することをおすすめします。

 

漆喰のデメリット②ひび割れが起きる可能性がある

漆喰には、ひび割れというデメリットもあります。日常生活を送る中でひび割れが起こるケースは少ないですが、施工環境の影響や、外壁の場合は天候の影響によって壁に傷が付くことでひび割れにつながることがあります。

そのため、当たり前ではありますが、施工の際は正しい手順で作業を行うことが大切になります。また、雨や台風などの天候に関しては、撥水性の成分を混ぜて塗ることで、ひび割れのリスクを軽減することができます。

 

漆喰のデメリット③汚れが目立つ

漆喰を使った真っ白な壁はとても美しくはありますが、一方で、汚れが目立ちやすいというデメリットもあります。
漆喰は調湿効果も高いので、特にコーヒーなどの色の濃い飲み物をこぼしてしまったときは、早めに処理をする必要があります。また、内壁では電気のスイッチ周りは手垢で汚れてしまうことが多いです。

もし漆喰の壁を汚してしまったときには、消しゴムや紙やすりなどで削ることで、応急処置が可能です。
漆喰はとても美しい素材ではありますが、汚れが目立ちやすいということは頭に入れておいてくださいね。

 

まとめ

今回は、住宅の壁素材として多く使用される漆喰の特徴についてご紹介しました。
漆喰は、日本のお城にも使われている歴史ある素材であり、住宅に使う際のメリットも多く、若い方々を中心に年々人気が高まっています。

住まいというのは、ものの数年ではなく、この先何十年も生活をともにする空間です。
デザインやこだわり、予算などももちろん大切ではありますが、家に使用する素材もまた、理想的な住まいを作るために重要なポイントになります。

新居を建てようか悩まれている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

ABOUTこの記事をかいた人

永く安心して健康で快適にくらせる家であること。住めば住むほどよくなる家であること。住む人に幸せが訪れる家であること。そして、造る者にも嘘がない真摯な心で造ること。こうして造られた家を私たちは「0宣言の家」と呼んでいます。