設計思想と原則論3:次は土地と採光をスケッチに反映させる

 

さて、これまで「家のスケッチ」を描いてきました。ここで描けるものといえば、各部屋の配置と風の通り道くらいかもしれません。さあ、こんどは土地を考慮して「採光」を考えていきましょう。

日当りのいい家と悪い家、どちらがいいですか?

朝、太陽は東から昇り西に沈みます。土地には、足を運びましたか?風は、どれくらい吹きますか?周りの建物は?どれくらい密集していますか?今後建物が立つかもしれない余った土地、空き地はありましたか?

 

土地の利点を最大限に活かそう!

土地の向きはそれぞれバラバラです。でも太陽が昇るのは東、沈むのは西です。そんななか、どんな家も同じ間取りだったらどうでしょう。必ずその中に「暗い家」「風通しの悪い家」が出来てしまうことは想像できると思います。

注文住宅について少し誤解があるとすれば、次のようなことです。「ここに、この建材を使いたい」「ここにこの家具を置きたい」と、施主の希望で「パーツ・素材」を自由に配置できること。

いいえ、それだけではありません。地の利を活かした設計ができることが注文住宅最大のメリットです。前の記事で、家の設計を考えるときに思想がないと人任せの家になってしまうことは言いました。

角地特有の設計があったり、南に窓がたくさんある方がより「日光」がそそがれる家になります。日当りが良ければ日中の照明は必要ありませんし、冬はぽかぽか暖かい日が差します。

 

じっくり土地を見てみましょう

前の記事では家を建てるとしたら、こっちが玄関で、こっちに勝手口が欲しいかな・・・という「配置」を考えました。お弁当の間仕切りと同じです。しかし今度は土地を目の前にすると、三次元での把握が必要になります。

少なくとも平面図では見えてこなかった土地の特徴、形状をしっかり把握し、また周りの環境をみながら冬至はどこまで、夏至はどこまで、などと採光について考えをはせましょう。実際にコンパスを持って見てみるのも、大切なことです。土地の家の建つ中心辺りから、東西南北を見てみましょう。

  • 周りの建物、風の通り道

もし視野の中に公園があれば、将来も障害物になる可能性は、まずありません。風が吹いてきそうな位置は、どこですか?風の吹き方は、現場に行かないとわかりません。風の通り道をしっかりメモしましょう。

  • 土地を見て、こんどは「タテの設計図ラフ」をひいてみましょう

自分で設計図をひいてみるのはとても大切なことだと言いました。思想を持つこと、人任せにしないこと。これは失敗しない家づくりにとって、かなり重要なことです。

土地を目の前にすれば3次元での把握が可能になります。土地の形状を見て、この方向から風が入って抜けていくか。朝日はこちらから、夏の西日はどう入るのか、冬の太陽は何時にどこまで差し込むか?・・・こういった構想がだんだんと必要になってきます。

こんどは縦向きの設計図を描いてみましょう。

 

 

また、これから何十年も住むことになる家の「住環境」によって「家族の健康」も大きく影響を受けることは想像に難くありません。

しかしながら、これまで健康と住宅を関連付けた「実証調査」はありませんでした。

このたび、慶応義塾大学並びに首都大学東京の調査と、我々で行った独自の調査(調査期間:2014年から2015年)で実証された住宅を体感・観覧できます。一度ぜひお越しください。

 

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