設計思想と原則論6:日本の注文住宅にも構造計算が必要な、これだけの理由

 

住宅街を歩いていると、思わず目を惹かれる様なお宅に出会うことがあります。とてもおしゃれで、ステキなお宅です。でも、そんなときどうしても気にかかることがあるんです。この記事で注意したいのは、設計士さんです。正しくは「建築士」という方が行います。

 

最初から意匠と構造の専門分野に分かれている

  • 「意匠」=見た目、デザインのこと
  • 「構造」=強度など建物の構造

建築士とは国家資格を持っている人であり家の設計をします。中にはどうしても奇抜なデザインに頭がいってしまってそこに「人が住む」という設計思想が抜けているのは?と思いたくなるような家もあったりします。

マンションの場合は構造計算を行うので安全なのですが、「日本の家」は、ほとんどの場合構造計算が不要です。ご存知でしたでしょうか。「家」を作ったり土地探すしごとをしているうちに、僕は考える様になりました。それは「構造安全」のことです。

 

建築士のお仕事

安全な家を考えるには、建築士の存在は欠かすことができません。実は、建築士の専門分野は「意匠」と「構造」に専門が深く二分化されていて、通常構造を扱う建築士は、住宅設計の際にはまったく顔を出しません。

建築事務所に住宅の設計を頼むときは、必然的に「意匠寄り」の建築士さんになります。しかし残念なことに、デザインに凝る余り構造分野にややさびしい建築士さんもいるのも事実です。

 

構造計算、やりましょうね!

専門分野の深さから、意匠設計と構造設計、両方をこなす設計士はなかなかいません。デザインを重視したら構造が疎かになるし、構造を重視したらデザインが思う様にいかない。(構造建築士の中には「俺はデザインセンスがないから構造をやっている」という人も居ますよ)

これが実際問題です。

法律ではやらなくてもよいでしょうが、やはり構造計算はやったほうが良いと思っています。おしゃれな家が比較的高値なのは、一目瞭然ですよね。だから、間取りやデザインも自分たちの思想、でもやはり一番は家族の安全を考えてもらいたいなと思います。

 

 

また、これから何十年も住むことになる家の「住環境」によって「家族の健康」も大きく影響を受けることは想像に難くありません。

しかしながら、これまで健康と住宅を関連付けた「実証調査」はありませんでした。

このたび、慶応義塾大学並びに首都大学東京の調査と、我々で行った独自の調査(調査期間:2014年から2015年)で実証された住宅を体感・観覧できます。一度ぜひお越しください。

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