贈る言葉

オールスターのファン投票、フランシスコ・リンドーアがアメリカンリーグ遊撃手部門5位。最終投票に残れる上位3人までは104,776票差。怪我で開幕から19試合欠場したとはいえ、ホスト球団最大のスターがこれではちょっと寂しいです。
今季ここまでの成績だと、クリーブランド・インディアンスからはカルロス・サンタナとブラッド・ハンドがまず選ばれるでしょう。そして去年も指摘した“1球団最低1人選出ルール”と“アメリカンリーグの格差社会化”。これがあるからリンドーアがあぶれてしまう可能性がある。もうちょっと頑張れクリーブランド市民。

このところ「9Z万札おじさん」「9Z万札おじさんの後日談」と、お札にまつわる話を書いてきました。ということは、自分がお札を扱う職種に就いていることを意味します。そう、現在、自分は経理業務も担うようになりました。このたび、経理担当が一身上の都合により退職する運びとなったためです。
彼女が入社し、総務部に配属されたとき、総務部には庶務担当の僕以外に、経理担当のFとK、そして広報担当のTがいました。しかし入社3か月ほどでFが退職、その年の暮れにはKとTが相次いで会社を去っていきました。Fの退社を事業部会議で聞かされた彼女は泣いてしまいました。うぶでしたね。KとTの退職時にも、泣きこそしなかったものの、すごく不安げな顔をしていました。それが今では、彼女の退職で僕のほうが泣きそうになっているという。僕もうぶですね。人のことは言えません。堪忍してくださいよ、僕にとってこの会社で初めての直属の後輩だったんですから。そりゃあ他の社員よりも情が移るってもんです。
彼女が入社したときの総務部の顔ぶれの中で、今も残っているのは僕だけです。彼女にとっての僕がどのような存在かは、知る由もありません。もしかしたら4人の中では最底辺に位置づけられているかもしれないです。ただ、あの不安げな顔を見たとき、僕は「自分がどれだけ辛くても、彼女をひとり置いていくわけにはいかない」と謎の使命感を抱いてしまいました。はた迷惑な先輩ですね。今回、彼女が新たな道へ進むことになり、寂しさの一方で「なんとか見送ることができてよかった」という達成感、というか安堵の気持ちを少し覚えたのも事実です。
自分語りが過ぎました。入社してすぐのころ、彼女は総務部配属にこそなったものの、その中でどういう仕事をするのかまだ決まっておらずふわふわした状態で、僕と一緒に庶務をやったり、経理の手伝いをしたり、いろいろしていました。それがFの退職を機に経理で定まり、Kの退職で彼女が経理の中でもメインの役回りに就きました。正直に言うと、傍から見ていてあのころの彼女には「おいおい大丈夫か」と不安になることもありました。彼女自身「私は経理に向いていない」「なんで数字に弱い私が経理なんですかね」とよく弱音を吐いていました。
それがどうでしょう。ここ1か月、彼女から引継を受け、びっくりしました。経理ソフトや工事監理ソフト、金融機関関係書類や領収書、請求書、その他諸々が複雑に絡み合う混沌とした世界を、彼女はすいすいと軽やかに泳いでいました。僕は沈まないように、沈まないように彼女の水先案内についていくのがやっとでした。立場が人を成長させるとはよく言いますが、まさにそれ。1年ちょっとの間に彼女は、40人近い社員を抱える会社の経理を一手に引き受け、見事に捌き切れるだけの実力を身につけていました。
彼女が引継用に作ってくれたマニュアルが ↓ こちらです。
2年3か月間本当にありがとう
彼女の頭の中には、このファイル1冊分の経理ノウハウが蓄積されていました。本当に尊敬します。
現在、弊社では経理職の方を募集中。僕の役割は、次の方が入社されるまでの“緊急登板のショートリリーフ”です。次の方も、このマニュアルを基に業務を行っていくことになるんでしょう。彼女はこの会社に、形ある立派なものを残してくれました。

彼女の退職が近づくにつれ、自問自答します。先輩として、僕は彼女に何をしてあげられたというのでしょうか。庶務の自分と経理の彼女、同じフロアで同じ部署で席も隣同士だったとはいえ、道が別れてからは彼女には迷惑をかけたことのほうが多かったような気もしてなりません。引継の最中にも、経理ソフトの操作性になかなか慣れずストレスを溜めたり、2人での作業中に「肌荒れ治った?」なんて無神経に話かけてくる社員に15分も手を止められて苛立ったりして、見苦しいところばかり見せてしまいました。特に後者、これはこれで話かけてきた社員のほうも彼女の体調を気遣ってあげていることは理解してますし、彼女自身も先輩社員に気にしてもらって嬉しかったんでしょうが、僕は自分の引継が中断してしまったことにイラッときてしまった。そんな感じで僕は自分のことしか考えられない、人としてできてない先輩だから、彼女に良くしてあげられたことといえば、近くの飲食店で唐揚げをごちそうしたことくらいかもしれません。
というわけで、退職後にいつか都合が合えば、また唐揚げをつつきながら思い出話や新しい職場のことなど、いろいろと話を聞かせてもらえたらなぁ、なんて勝手に思っています。本当に最後まで迷惑な先輩ですね。読むほうが身の毛もよだつような、こんな長文書き散らしよって、ほんまにもうしょーもな。きっしょ。まぁ何を言われようが、これからも心の中で彼女を応援し続けることは確かです。それだけは揺らぎません。揺らぐことはありません。

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